医学の新局面


  整体の深化と進化も じつは
西洋医学の発展と発見の成果に大きくささえられております。
こうした 世界の医学の分野の最新の知識情報を紹介し
同時に 新たな知見を 整体はどう参考としさらに深化と進化をはかるのか
それを 紹介してみましょう

 
 2017年1月1日
 風邪は 何もしないことが一番

  風邪は病気ではなく
体のたまりにたまった廃用物質を一気に排出しようとして

劇的に活動する浄化の時期

というとらえ方は つとに整体が説いてきたことで
よって 風邪をひいたら
ひたすら それが過ぎ去るのを待てばよい・・

つまり
何もしないことが風邪には一番いい選択なのである


すでに この風邪への洞察を賛同する西洋医師は
しだいに劣勢を転じて多勢となりつつあるが

2005年頃から 日本の医師界の間でも
ウィルス感染には、抗生物質は効無し つまり風邪に抗生物質は無効
という説が定着してきたが


ついに

2014年に至ると
日本呼吸器学会が 「成人気道感染症診療の基本的考え」という
いわゆる風邪についての基本診療の方針を打ち出した。

それは以下の様な骨子となっている
 1 風邪は自然に治るもので 薬で治るものではない 
 2 風邪のほとんどは ウイルス感染である
 3 発熱はウイルスとの戦いの免疫反応であり解熱をむやみに図らないこと

西洋医学界からみれば この方針は画期となるものだが
整体の世界からすれば 実に遅すぎる方針と言える


今まで 風邪となると
病院に走ってたっぷり投薬されてきたこれまでは
一体 何だったんだろう?
という やりきれない思いになる人も多いだろう・・




医学にかぎらず
科学の世界は こういうものかもしれない


 






























 
  2016年12月20日
  いびきは深刻な危険サイン
 
いびきは
そのかたわらで寝ているものにとって深刻な問題であるが
 
それ以上に
いびきをかく当人もきわめて深刻で危険なサインである。

決して いびきを笑い話にすましてはならない。

いびきは 
睡眠時に気道がせまくなり 狭くなった気道を呼吸のたびに
発生する摩擦音こそが いびきとなる。
なぜ 気道が狭くなるかというと 
まず気道を取り囲むのど周りの筋肉群の
コリなどの硬直や過緊張、あるいは力のなくなった筋肉萎縮などで 
気道の働きを低下させてしまう状況のもとで
仰向けに寝ると 
気道上にある口蓋や軟口蓋の粘膜が下垂し
ついに 気道を狭くしてしまう。

よく太った人が いびきをかきやすいといわれるが
それは 太った人が 首からのど周りの筋肉群が 
硬直・過緊張・萎縮におちいりやすいことからくる由縁であり 
よって 気道をふさぎやすく 狭くなった気道から
呼吸のたびに摩擦音のいびきが出やすくなるのである。

いびきを放置し その行き着く先が
睡眠時無呼吸症候群である。
Sleep  Apnea Syndrome
もっとも疲労回復すべき睡眠時 呼吸活動に多大な負担がかかる為
疲労はさらに増幅し 脳内の血液循環は停滞し 自律神経の破たん、
内分泌・免疫系にダメージを受け 代謝異常を誘発し 最終的には
病気が発病する と言う道をたどることになる。
また 睡眠の熟睡がないため 日中の活動に影響を与え
本来活発な行動しないといけない時に睡魔が襲うのが常態化する。

さらに深刻な別の面の危機も浮かび上がってくる。
つまり
いびきの音がいかに大きいかは いびきの本人はあまり認知しにくい。
いっしょにそばで寝ている人が 最も察知し 最も迷惑をこうむる。
このため いびきの根本治療の前に パートナーが
いっしょに寝るのをあきらめ 別の寝室で寝ることになると
その人間関係が微妙に変化し感情面での新たな問題が起こる事がある。

さらに 深刻な問題は 
いびきを放置したまま 単独で寝るのが常態化すれば
最悪のケースでは 睡眠時の突然死が起こりそうな間際に
パートナーがそばにいれば その異変に気付くが
単独の就寝の場合 誰にも気づかれず 家人が気がつくのは
すっかり手遅れになった 朝 という ことがあるのである。

 








 
 
  2016年12月1日
  脳腸相関 のうちょうそうかん
 
脳と腸は きわめて密接に関係していて
ダイレクトのネットワークで結合されている生理現象を称して
脳腸相関 のうちょうそうかん という。

古来より東洋医学では 腸と脳の緊密な関係を早くから指摘しており
手技療法をおこなう臨床家の間では古来より常識である。
もちろん こうした古来よりの見識も
その論理的な解明は 
現在進行中の西洋生理学の分野での研究成果に
頼らざるを得ない。


脳腸相関 のうちょうそうかん 
西洋医学の分野で明確になってきたのは
内分泌とホルモンの機構においてであり
内分泌とホルモンにかかわる情報伝達が
脳と腸で双方向でひんぱんにやり取りしている事を指す。

腸の側の具体的に脳との交流を行う主体が
腸に宿る腸内細菌である。
腸は腸内細菌を宿らせることで
様々な重要な整体活動を維持していることが判明してきた。
脳腸相関 のうちょうそうかん も
つまりはこうした腸内細菌の研究の過程で明らかになってきたこと。

たとえば
いわゆる ストレスを脳が感知すると
腸内細菌が変動する。
逆に 腸内細菌の動態がストレスを生む要因となる。

これが顕著にあらわれるのが
ヒトの便意反応である
ヒトは ストレスが強い場合 便意のコントロールが不能となる。
便秘、ひんぱんな下痢。
特に 中でも IBS 過敏性腸症候群 
かびんせいだいちょうしょうこうぐん
の生理現象を 
脳腸相関 のうちょうそうかん
の切り口で解明すると明快になる。

IBS 過敏性腸症候群
 かびんせいだいちょうしょうこうぐん
とは ある特定な状況下に遭遇すると
突発的な便意をもたらし あわてさせる。
また 同時に
便秘
残便感
腹部膨張
なども併発することがある症候群。

よくあるのが
通勤などで列車に乗っていて
各駅ごとに切迫的な便意が起こってしまい
パニック状態になる ことをいう。

この  IBS 過敏性腸症候群 かびんせいだいちょうしょうこうぐん
現場は腸であるが
原因は 脳の受け取るストレスにあるので
これと決別するには そのストレスを変容する手立てが必要なのでる。


腸内細菌のテーマの重要性は
いわゆる免疫系、ガン研究、老化防止 などの研究と併走しているので
腸内細菌の研究はますます深化し
よって 今後はさらに
脳腸相関 のうちょうそうかん
の驚くべき実態が 次々と明らかされていくにちがいない。

整体の世界では もとより
腸は腸にとどまらず
全身性の視点で腸を位置づけており
施術の中心に腸を置く整体家も多い。

たとえば 一見すると腸とは関係がないと思われる
腰痛 うつ病 アトピー 慢性頭痛 等
腸を必ず視野に入れた施術をしないと
片手落ちとなる症例は多い。
 
  2015年8月1日
  体内時計のリズムを制御する
 
名古屋大学は、
かねてより 哺乳類の体内時計(概日時計)の研究で名が知られていたが
このたび 名古屋大学生命分子研究所が
その分野で新たな発見をしたことが 
ドイツ化学誌「アンゲバンテ・ヘミー」のオンライン版に
2015年5月8日に公開された。

タイトルは
『 哺乳類の概日リズムの周期を変える新しい分子の発見 』

その内容は 実に興味深く また睡眠のメカニズムを追及する上でも
格好の材料となっているので ここで紹介してみよう。

ヒトの 体には おおむね一日のリズムをきざむ 
概日リズムという体内時計が備わっている。
この概日リズムは 睡眠・覚醒のほか ホルモン分泌、代謝活動のコントロール 
にもかかわり このリズムが乱れると 睡眠障害にとどまらず 生活習慣病や
肥満 精神疾患の引き金ともなる。また 動物全体の繁殖活動の周期も
この概日時計と大きくかかわっていることが明らかになって来た。

哺乳類の概日時計の研究は 1990年代の時計遺伝子の発見を契機として
急速な展開となり 今では 哺乳類の概日リズムは 4つの時計遺伝子及び
時計たんぱく質により制御されているとが判明してきた。
この時計たんぱく質の抑制と活性化が一日に一周することで 
概日リズムが形成されている のである。

ここまでの内容があきらかになっていたことで 
これに対して 今回 名古屋大学生命分子研究所が 発見したのが 
この概日リズムの中核を構成する時計たんぱく質に 
直接作用し制御する分子を発見し 
さらにそれによって概日リズムの長短を調整できる分子の発見となったのである。

わたくしの理解できることは以上までで 
正直なところ それ以上のこの発見の詳細は歯が立たない。

いうまでもなく 今回の研究成果により 
概日リズムのメカニズムの一端がよりあきらかにされ
睡眠障害と睡眠の本質のより深い解明と解決に 
多くの暗示が生まれるのを 期待したい。

  2015年4月1日  
 コレステロールの怪
   
一般的に言うと、 
コレステロールは
動脈を硬化させる危険分子としての悪役のイメージが強く 
血中濃度の数値をあたかも健康のバロメーターのような象徴としてみなし 
数値の結果によって
食生活の変更や 安易な投薬へという指導が 日本の医学界で
なされてきたのであるが
その生理的実態が明らかになるにつれて
それまでのコレステロールのとらえかたの劇的な変貌となり
あらたな コレステロールの対応への潮流がうまれている。
それは
ある意味 コレステロールの怪といって現象となっているのである。

そもそも コレステロールとは生体の細胞膜の必須成分であり、
代謝活動の主要な役割を占め ステロイド合成の出発点となる物質である。
また胆汁酸の産出、
ビタミンADEおよびKなど脂溶性ビタミンの代謝にも
重要な役割を果たしているなどの
生体の維持に極めて重要な必須の役割をになっていることは
あまり認識されておらず コレステロール自体を
むしろ健康を蝕む物質として認知されていることが多いのがこれまでであった。


それは 善玉コレステロール、悪玉コレステロールのという
奇妙な呼称にも あらわれ まるでコレステロールの世界で
善人と悪人のような勧善懲悪という 単純な誤解を生む温床があった。
それは 心理的な危機感を植え付け
コレステロールの生体メカニズムの複雑で精妙な本質を 
誤解してしまう事になって来たのである。 

たとえば 体内のコレステロールの量は基本的には肝臓が
そのフィードバックシステムで 毎日一定量に保持する機能をしている。
かりに 一日に必要なコレステロールを100%とすれば
その役80%にあたる量を 肝臓が調整している。
つまり肝臓が 食事で摂取する量がすくなければ体内合成をおこない
コレステロールを増産し 食事でコレステロールを多く摂取すれば 
少なめに合成され 常に一定になるように保たれている。 
このため 
食事で少々多めにコレステロールを摂取したとしても 
肝臓がそれを均衡化してくれているのだ。

結局は 食事からの影響は少ないことになる。

こうしたことを背景に このたびアメリカから次の様な報告があった。

この度、アメリア政府は、 
今年改める食生活指針で、コレステロールの摂取基準を撤廃する方針だ。
アメリカの農務省と保健福祉省の諮問委員会は、
コレステロールは健康への懸念はないとの見解をまとめたのである。
「前の指針で1日300ミリグラムを超えないよう制限すべきだとしたが、今年の指針ではこうした勧告はしない」と明記した。
摂取量と血中濃度の関係を示す証拠がないため
「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」と結論づけた。

また
日本の厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」策定検討会も、
昨年まとめた報告書にコレステロールの摂取目標量を盛り込まなかった。
すでにに血中コレステロールの値が高い人でも、

摂取を減らせば心筋梗塞などを予防できるかどうかは明らかではないとした。

さらに
コレステロールの まったく新しい見解として
血まなこになってコレステロールを下げることの危険について
警鐘を鳴らし 仰天するべき説をとなえる学者もいる。

たとえば
大櫛陽一東海大学名誉教授は
血中LDL悪玉コレステロールの値が高いと
動脈硬化が起きやすくなるというこれまでの見解に
大きな異議をとなえ 疑問を投げかける。
「血管の壁にコレステロールが付くのが動脈硬化の原因と
 いわれてきたが実際は逆だ !」
という。
「動脈硬化で起きた炎症を修復するためにコレステロールが集まる」
と主張する。

つまり
先に動脈硬化が起こり その動脈硬化で生じた血管の炎症を修復するために
コレステロールが血管にたくさん増え 動脈硬化を修復する。
という まったく今までの見解とは逆のコレステロール機能説となる。

こうした見解は まだ 一般の医師にまでは浸透していないため
コレステロールには今までと同じように病院で説明をうけ続けている人は多い。

これを コレステロールの怪と呼ぶ。

では コレステロールの怪に 我々はどう対処するのがいいのであろうか・
目下のところ 次のような取り組み姿勢が妥当と思われる。

体内コレステロールの80%は 肝臓のシステムにより保持されているので
肝臓の機能が正常に維持できるという視点から
食事の方針、運動の身体ケアを第一にかんがえるべきで
単純に むやみと
コレステロール値を基準にした食事内容にしないことである。
すなわち コレステロール値ではなく 肝機能の向上という視点から
食事と運動の内容を決定する ということである。

  2011年1月1日 
   難聴の原因遺伝子
  2010年11月19日付の 日本経済新聞によると 
東京大学の田之倉優教授チームは
加齢での難聴の原因となる遺伝子の仕組みの一端を解明した、とのこと。

それによると 老人性難聴の原因は 
内耳
ないじ の 蝸牛かぎゅう というカタツムリに似た器官にある細胞が
年齢とともに損傷を受け細胞死
アポトーシス をおこし
機能不全となること。

ではなぜ細胞死
アポトーシスが起きるかというと
遺伝子Sirt3 の活性が弱まり活性酸素によって細胞が損傷をうけ
やがて細胞死
アポトーシスにいたり難聴となるというものだ。
したがって
Sirt3遺伝子の活性を高め活性酸素の発生を抑制すれば
難聴率が低下するというのが今回の解明の趣旨である。

さらにSirt3遺伝子の活性をたかめるには
カロリー制限が効果的であることを発表した。
これはマウスを使っての実験だが 実験には4種のマウスをつくった。


1  Sirt3遺伝子をもつマウス で カロリー制限をしたもの
2  Sirt3遺伝子をもつマウス で カロリー制限をしなかったもの
3  Sirt3遺伝子をもたないマウス で カロリー制限をしたもの
4  Sirt3遺伝子をもたないマウス で カロリー制限をしなかったもの

  この実験により 難聴をまぬがれたマウスが つまり
1の  Sirt3遺伝子をもつマウスで 
カロリー制限をしたものであり
これによってSirt3遺伝子をもち かつカロリー制限をすると
難聴になりにくいことが解明されたとのことである。

もちろん
老人性難聴が カロリー制限でまぬがれると断定はできず
カロリー制限により抗酸化作用をupする方法は ある一つの方法にすぎない。
ただし 人体の解明は こうした研究の積み重ねであり
さらなる探求への道のヒントがあふれているのである。

   
  2010年12月1日
  K点をとらえる
   国立病院機構の国分正一医師は 
頚部痛のブロック治療の新しい概念として
後頭下の圧痛点をK点と称し独自な治療を行って 
これに関する論文もいくた発表してきた。 
さる2010年11月18日に仙台の医師会館でも 
同趣旨の講演をおこない 
筋肉緊張の原因による頚部の多種の症状を解決する有効な方法として
 K点へのブロック治療を紹介した。


神経系に異常はみられず 頚椎にも損傷がない場合で
肩こり
肩甲骨の内側の痛み
挙上の困難
上肢の全体の痛み
手のしびれ・だるさ
頭痛
眼精疲労
など
筋肉の過緊張にある つまりコリにあるとの見解でそれを 
K点でなおそうとするものである。

国分正一医師の実際の K点ブロック治療は
ポイントに局麻剤2mlを注射器で 
刺入深度を針先で項筋膜の抵抗を感じた後に2〜3mmとする。
局麻剤は リドカイン。
通常 ブロック治療の30分で疼痛の改善がみられるという。

国分正一医師は 臨床的にその劇的な効果をあげているので 
その実績を K点治療のバックボーンにしているが 
なぜK点が効果をもたらすのかは
はっきりとは言明していない。

では 具体的に K点の場所はどこか?
下図を参考にしてほしい。

国分正一医師によれば
胸鎖乳突筋の中で後頭骨と鎖骨を結ぶ筋腱の移行部の後頭骨の直下がそこ。
直径は 約7mm程度。
経絡 「風池」 の約1cmの上方。
後頭骨下部を横走する後頭動脈の拍動の約1cm下方。
漢方の経絡 「風池」とは 位置は微妙にずれるらしい。



もともと 漢方でいう経絡 「風池」 とは
頭痛、眩暈
項頸部の強ばり・疼痛、眼の充血・疼痛、
鼻炎、肩背部痛、発熱・感冒、耳鳴、癲癇。
 など
広範な症状に効果をもつ。
その語源は
風邪(ふうじゃ)が入って、池のように滞ってたまる場所という意味である。
つまり 風邪かぜ をひいた後、
その風邪が からだに滞留している場所との意である。
その効能からいって 風池とK点はきわめて酷似している。

整体の世界で ほぼK点に近い場所を選択し施術するのは
頭痛と眼精疲労とノイローゼ
の症状に多い。
もちろん その場合
K点という一点のみ施術の対象とするわけではなく その周辺をまんべんなく探りながら
該当患者の最も反応するポイントを決定するのであるが
この時、
K点という概念は参考になるひとつである。