2016年2月の整体 


昨年末から今月にかけて 暖冬と報じられてきたが
それは あくまで冬季の平均気温の統計上の数字だけのことで
実際 この冬 気温の落差が大きく
暖かい日と厳しい寒さの日が波打つようにあらわれるので
体に与えるダメージは予想を超えて大きいと感じる人は多い
これが
今年の冬は 寒さが苦手の人にはことのほかつらい理由である



こうした時期 激しく気温が下がると
冷え性の人は
 いくら服を着こんで暖房にかこまれたとしても
うそ寒いなんとも言えない不快は払拭されず
憂鬱な日々が続くことになる

整体で 冷え性体質を転換する人は多い
では具体的に どのようにして冷え性を変換するのだろう
今月は 冷えの話題である

いうまでもなく 整体で冷え体質を治そうとする人は
並みの冷えではないはずで
こうしたレベルの冷え体質は小手先の対処では歯が立たない
高温掛け流しの温泉に入り続けても
冷えに効くツボを押し続けたとしても
機能性の高い下着を何着きたところで
体の深奥からジワリと居座る冷えは消えない
根本的に体の熱源・エネルギィシステムの立て直しの気迫が必要である
ことは大がかりな響きがあるが
体質が変わればその手に入る代価はそれ以上に大きい
思ってもみない果実が得られるはずである
それほど 冷え体質は実のところ生活のレベルをさげている

まずそのポイントを列挙してみよう
次の5つの視点から 冷え体質に勝負をかける

 血管 動脈・静脈・毛細管の立て直し 
 筋肉 骨格筋の硬直を柔軟にし、しかる後に剛性を高める
 運動 日常動作を運動化することで 躍動する体をつくる
 内臓 内臓平滑筋を刺激し 内臓がうみだす熱源を高める
 呼吸 横隔膜・呼吸筋群の動きを改善し深奥の暖を実感する
 食 食材の構成を再編成し 食生活を一新する

すでに この表をみただけで
体の奥でぽっと火種がともった様な感覚にならないだろうか

血行がよくなれば暖がもたらされるのは経験上誰もはわかる
問題は
血管の質であり それは動脈と静脈と毛細血管の質のこと
また 血管運動を制御する自律神経が良好かであり
 つまるところ 血液自体の鮮度がいいか 汚濁の程度は?
ここにかかってくる
動脈は硬化していないか?
静脈は力強く心臓へ回帰するか?
毛細血管は活発か?
自律神経の乱れ無く血管調整をおこなっているか?
血液に粘りつくような よどみはないか?



筋肉を動かせば暖がもたらされるのは経験上誰もはわかる
問題は
柔軟を失って硬直してしまった筋肉は動かそうとしても
なかなか思ったようには動いてくれず 結局は筋肉の運動量は制限を受ける
よって何よりも硬直した筋肉群を柔軟にすることが必要で
柔軟が回復すれば 筋肉自体の反応性が向上し
筋肉運動自体がもたらす熱量が冷感を駆逐する
次にはこれに剛性が加わると 筋肉の生み出す熱量はさらに上向く
骨格筋が柔剛あわせもった時が 冷え体質の変換期である

日常的にこまめに動き回る人に冷え体質の人は少ない
日常的に動きの量が低下している人に冷えがもたらされる
そこで 日常の動作・生活パターンを詳細に検討して
日常の動きに運動の要素をもりこみ
運動量を創意工夫によって確保することが必要である
新たに時間をとってジムにいったり走ったりする前にである
そのひとつに
日常のあらゆる動作のスピードを高めるやり方がある
スピードをたかめることで
その効率、肉体に及ぼす影響、心身の爽快感
等 はかり知れない変革がもたらされる
同時に 体が熱くなるのである
整体は つまり そうした速度のある動作ができる体にする

内臓の機能が低下して
体の芯からジンジン冷える人がいる
当然 こうした場合
整体は 内臓の強化と刺激に取り組む
臓器は胃、腸、肝臓、腎臓、が主となる

呼吸というのは 実は体の内部から熱源を生む
最も簡単に取り組めて効率の高い
冷え性改善の妙手である
横隔膜の動き円滑にして
呼吸筋群を柔軟にすることが
整体の第一歩である
これによって 腹式呼吸が自在にできるコツと習性を得れば
体はグングン暖かくなる

食の見直しと一新は
手間と時間に困難な条件が予想されるが
それを本格的に推進することでもたらされる変革は
冷え性にとどまらず
人生の転機にもつながるやもしれないほど大きい
整体は
食欲のあふれでる痛快な状態をつくり
排便と発汗と呼吸の変貌をもたらし
その 軽快が
食の見直しと一新への機運を
みなぎらせることをねらいとするのである
人は 排泄が優良となり 食欲が増大すると
脳の中が きわめて爽快となり
今までにない新しい試みをなんなく取り組める態勢となるのが
常道である

これが冷え性を変えていく道筋の一端。