直接腎臓に刺激を与える
|
基本的には指圧と掌圧 つまり
術者の指と手のひらを駆使し
腎臓に刺激を与える手法である。
腎臓は独特な配置をした
筋膜と脂肪に完全に囲まれているので
これらを介して腎臓本体に力を到達させる。
また
左腎臓は第11肋骨と大12肋骨が
腎臓のほぼ3分の2を覆い
右腎臓は第12肋骨が
腎臓のほぼ半分を覆っているので
腎臓全域に均等な力を浸透させるには
高度なテクニックを要する。
したがって
このような腎臓ポジションの性格からして
腎臓臓器への刺激は
背中から、脇腹から 腹部前面からと
角度を微妙に推移しながら
全方位的に おこなわれる。

|
腎臓を活性させる急所をつく
|
漢方医学を援用し
その経絡と経穴 けいらく けいけつ理論に
ほぼ準じたラインとツボを施術することで
腎臓の変調を回復させる。
具体的には
下図で示すように ブルーのラインで示す
2つのラインと 及びその線上のツボである
腎経 じんけい
膀胱経 ぼうこうけい
のラインとツボ になる。
このうち ツボとしては、
腎兪 じんゆ
湧泉 ゆうせん
照海 しょうかい
陰谷 いんこく
が 腎臓を特化して回復途上に乗せる。
加えて、
整体的にさらに深化させる技法は
この2つのラインの下肢だけを限定し
ラインにそった筋肉群を
徹底して軟化柔軟にさせることである。
つまり
経絡ライン
経穴ツボ
下肢筋肉群 の
3つのカテゴリにおいて
腎臓を機能向上させる急所を衝く つくのである。
 
|
腎臓に流れ込む血液と血管の質を変える
|
すでに述べたように腎臓のはたらきの主要なひとつが
血液をろ過して 浄化しつつ
必要な栄養素を再吸収すること とのべた。
つまり フィルターの役目であり
このフィルターの目がつまってきてくると
腎臓の機能が落ちるのである。
では なぜつまってくるかというと その原因のひとつが、
腎臓に流入する血液が 流入する以前に
かなり汚濁がつよく にごっているからで
粗野な表現をつかえば
ヘドロのようにドロドロであれば
フィルターの目はつまりやすい。
だから
腎臓を保護するには
腎臓に流入する前に血液を出来うる限り
サラサラな清流にしてやることなのである。
清流のごとくな清潔な きれいな血液にするに
整体はがぜん その効力を発揮する。
どうやってするのか?
血液浄化する内臓は
腎臓のほかに もう一つの内臓がある。
それは 肝臓である。
整体は 腎臓の保護のために
肝臓の機能を強化する。
肝臓をどう整体するかは
べつのところで記することにし
肝臓の機能が向上すると かならず
腎臓もそれにつれて息をつく。
つまり 腎臓の重荷が軽くなるのである。
この意味で
腎臓と肝臓は補完し合っていることを
理解していただきたい。
ようやくすれば
肝臓をねらって 血液と血管の質を向上させる。
2番目に 筋肉マッサージを励行して
血行を良好にし
ヘドロ化した血液をさらさらにし
肥大した血管を柔軟にし
腎臓に流入する直前の血液を清めておく。
3番目には 呼吸の鬱屈を解放し
すぐれた呼吸活動をすることにより
十二分な新鮮な酸素を流入する素地をつくり
血液に鮮度の高い酸素を付与できるように
体をつくりかえる。
4番目には
骨格矯正 とりわけ
骨盤の矯正 と 腰椎矯正 と 胸椎矯正 を
]十分におこなう。
これにより 身体は知らずの内に
かなりな運動をこなした状態となり
活発な血行の促進をもたらし
よどんだ血行を飛躍的に改善する。
骨格の矯正は 熟練の元でおこなわれれば
おどろくべき運動量を体にもたらすものなのである。
よく 矯正の後
からだに
いいようのないこころよいだるさをもたらすのは
これによる。
つまり これらはすべて
腎臓の外側で 腎臓を保護する作戦である。
整体は これを 遠隔改造と呼ぶ。
リモコン・リフォームである。
|
腎臓を取り囲む環境を整える
|
腎臓が 筋膜をへだてて隣接する筋肉がある。
まず これをゆるめ
腎臓への圧迫があればこれを除去する。
具体的には
腰方形筋 ようほうけいきん
大腰筋 だいようきん
腹横筋 ふくおうきん
である。これらを十二分に弛緩し
腎臓への圧迫を解除するのである。
これにより
腎臓をとりまく 構造物を 的確な場所にもどし
腎臓が のびのびとした活動と活躍ができる
さらに
腎臓の上方には横隔膜が近接しているため、
息を吸うと横隔膜は下がるため腎臓も下がり、
息を吐くと横隔膜が上がるため腎臓も上がる。
この様に
腎臓は体の動きにあわせて一定の範囲で動いている。
これは 内を意味するかというと
横隔膜のゆったりとした動きが
適度に腎臓をマッサージすることになり
腎臓にとっては
その緩慢な動きが快適となっており
機能活性の一助となる。
よって 横隔膜が 動くことによって
腎臓はよろこぶのである。
ご承知のように 横隔膜は
腹式呼吸によってヒトは意識的に動かせる。
腹式呼吸が
内臓全般をマッサージしてくれるのである。
整体は このはたらきを
内部整体とよび、自力整体とらえるのである。
腹式呼吸が いかに効力があるかの一端である。
整体技法のひとつは、
施術中に患者が 知らぬまに
腹式呼吸をしていくように誘導するのである。
こうして
腎臓を取り囲む周囲の環境を整えることで
腎臓を軽快にするのである。
まさしく こうした 深慮遠謀こそが
整体の本質をもっとも特徴つける。
|
腎臓を回復強化する食品を摂取しやすい体にする
|
腎臓を回復し強化するには
食の見直しによる食事療法も大きなテーマである。
そのために 整体が何をするかというと
まんべんなく多品種の栄養素をとり
バランスよく食事を
自然にしたくなる体と頭脳をつくりだす、
ことをおこなう。
手順は こうである。
1 |
腸の機能を向上し
排泄と排出の順調を促進する
つまり
蠕動運動を活発化し
大便の排出を促進する
|
2 |
胃と十二指腸の機能を高め、
食欲がわきあがる体にする
|
3 |
肝臓を強化し
消化の正常をねらう
|
4 |
筋肉の柔軟と骨盤矯正により
代謝のレベルを上げる
|
5 |
腹式呼吸の習慣化をうながし
腹式呼吸により
諸内臓を自律的に
マッサージできる体にする
|
6 |
頭蓋骨の整体により
頭部を弛緩させ
その緊張を徹底的にとり、
間脳の視床下部の
摂食調整を穏便にし
どんな食品も適度にとれる
精神状態にする。
|
こうしたことにより
腎臓の回復強化できる食品群を
摂取しやすい状態にするのである。
|
腎臓の内臓体温を上昇させる
|
下肢の以下の骨格筋肉群の
徹底した整体マッサージで
血行をうながし 内臓体温を上昇させる。
1 ふくらはぎ
腓腹筋 ひふくきん、 ヒラメ筋
2 ふともも
大腿二頭筋 だいたいにとうきん
これらの3つの筋肉群は
内臓体温を上げるに
もっとも効果的なものである。
表皮体温ではなく 内臓体温をねらうので
継続的な整体マッサージ療法が必要である。
では 整体マッサージとは どんなものなのか?
通常 マッサージとよばれる技法は集約すると
圧す おす
押す おす
なでる
さする
引っ張る
の5つになるが、
整体マッサージの場合は これに
回転
回旋
ゆらす
ねじり
ひねり
てのひらをあてる
が
加わり より多彩で奥深いマッサージとなる。
特徴的なのが
単に筋肉を対象とするだけではなく
たえず骨格の動きを
ともなった視点で動かすので
その動きは 立体的で多次元となる。
とくに てのひらをあてる は
整体の独自性を高く発揮し
単なるマッサージとはちがい
精神性の豊富な内容となる。
|
毎日の腎臓強化の自己体操を教授する
|
腎臓を強化する体操の基本は
背中と腰を中心にして
回旋と回転を頻繁におこなうことに尽きる。
つまり
腎臓をゆっくり ねじりこむことで
腎臓の潜在された活力をよみがえらせる
ということである。
気をつけなければいけないのは
急激な動きをしないことで
ナイーブな腎臓は
急激な刺激を嫌がる
ゆっくり ゆったり たゆたうように
おこなうことである。
|
腎臓と相関反応がある器官を刺激し腎臓の活性。足と耳
|
漢方医学においては
腎臓と足回り および耳の中は
特殊な経絡を通じ密接な関連をもつとみる。
たとえば
加齢性の耳鳴りや難聴の遠因を 腎臓の機能低下とし
また
若年性・中年性のメニエル氏病症候群のひとつである
めまい 耳鳴り の遠因のひとつを腎臓機能の障害とみる。
これらは 腎機能の低下で滋味豊かな血液が耳に供給されない
という説明もなされるが
加えて
耳の特に奥の内耳はリンパ液でみたされており
このリンパ・体液のコントロールを腎臓がおこなっているという
説明もされる
いわゆる 内耳のなかの リンパ・体液のかく乱によると
みなすのである。
こうして 腎臓と強い相関関係のある 耳を刺激することで
逆に腎機能を向上させるのが 整体である。
ここで整体の特徴的なのが 耳といった場合
耳介 じかい、 外耳道 がいじどう は もちろんのこと
耳の周りの側頭部全体を対象にすることである。
これによって はじめて 中耳 ちゅうじ、内耳 ないじ にまで
効力がおよび その反応が腎臓に如実にあらわれる。
又
足は アキレス腱からくるぶし および足裏にかけては
腎臓を活発にし 腎臓の失調を素早く解決するポイントとラインが
多く存在する。
また 腎臓のみにかぎらず 足は 尿管 にょうかん、膀胱 ぼうこう をも
活性化させる ポイントとラインが密集するので
これらも同時に整体施術をおこなう
足は 腎臓、尿管、膀胱 と広域にわtる内臓を視野にいれた
施術が一気にできるのである。
|