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2018年11月の整体
指圧の2つ、3つの秘儀について


整体でも もちろん施術のなかに 指圧が多く登場するのだが

整体における指圧は ほかにない多くの特徴があり

そのなかでも余人にはわかりにくい2,3の秘儀について公開してみよう。


というのも

整体を受ける患者は よく施術中に、

『 なぜ こんなに整体の指圧は 気持ちがいいんですか? 』

『 整体の この不思議な指圧の感じは 何か特別の秘密があるんですね? 』

のような質問を発せられるので・・・ 




まず

指圧は 指で圧すと表記するため 指で患部を圧す、押す 

つまり、

力をかけて 硬直した部位を緩めるという風な理解が多いが

整体の指圧は 指では圧す、押す ということをしない。

指は あくまで、

患部をさぐりだし 身体にあらわれている状態を確認するセンサーの役割が主となっている。

もちろん 指に力を入れないわけではない。

ただし 力を入れるのは、

 その入力したパワ―に対して 身体がどのような反応をするのかを確認するために

指先に力を及ぼすのである。

このため 整体は 指圧を 指探 したん と呼ぶ。

つまり 指で探索する訳だ。

指は 非常に微妙なものをかぎ分ける繊細な神経が張りめぐらされているため

指のセンサー能力を最大限に活用するのである。

これに対して 指が他の器官と比べると 細く構成されている所から見て

パワーを繰り出す任務には不適当なのである。

ただし

熟練の整体家が 指圧で施術を行うと

施術を受けるものは とてつもないパワーを感じるtことがあり

別世界に連れていかれるこころもちになることがある。

じつは これも 指で 単に 圧す、押す としているからでなく

それとは 次元のことなる パワーを繰り出しているからなのである。


指に力が入れば入るほど 指のもつセンサー機能は低下して

患者の刻々と変化する微妙な動きをとらえきることができなくなる。


手の指は 合計10本あるが それぞれ第1指から第5指まで

左右ともにあるが それぞれの指は独自の特性があり

5本の指の それぞれの特性を発揮させ 指を動かす必要がある。

さらに 左右あることで 指が患者に向かう角度を 左右から異なる角度を選択でき、

患者の状態を察知するのに より多角度から情報収集ができるのである。

このため

10本の指が自在に患者の体をめぐり

少なくとも 指だけで10本のアンテナが張りめぐらせることができるのである。

さらに

足の指もこれに加えれば 計20本の指のアンテナが 患者の体を探指することになる。

足の指も 手の指ほどの繊細な感覚器にはならないが。

これを修練すれば 手の指にはないセンサーとしての力を発揮できる。

私の場合、 足の10本指は、

患者のでん部、大腿部、下腿部 等の状態を探索するのに有効である。


こうして 20本の指を自在に動かすことが 整体の秘儀のひとつである。





では 実際 硬直した筋肉などを弛緩させるために圧力が必要な時は

どのようににして 圧す、押す をするのか?

それは手足の指以外には、 手の平、つまり手掌、肘、膝、アゴ、等がある。

これらの部位を総動員し 施術を行う。


さて 次に

どのように施術者は パワーを繰り出し、

患者の病巣にパワーを波及させればよいのであろうか?


きわめて逆説的であるが、

その基本は 指先あるいは圧す、押すをする手の平、つまり手掌、肘、膝、アゴなどに

施術者は 力を入れようとしないことである。


どういうことかというと、

患者に触れあう接地部位 つまり指先 手の平、つまり手掌、肘、膝、アゴ

 に施術者が力をみだりに入れようとすれば

それを受けるほうは それを不快とするのである。

なぜなら パワ―に奥行きがなく 施術者のふれる点にむやみに力が加えられるのみで

患者側は いたって気持ちよくもなく

またそのパワーが病巣を直撃する効果も期待できない。


もっとも効果的で かつ患者側が快感を感じるパワーの入り方は

まず パワーに長さムーブメントがあることである。

つまり かなたからパワーがやってきて 向こうに通り抜けていくように

長さムーブメントのなかでパワーが通り抜けていく感覚がある事なのである。

これをイメージ図で表すと以下の様になる。





たとえばが病巣とすると、 施術者は 病巣に向かって病巣を圧す、押す のではなく、

パワームーブメントの途中に 病巣が存在するように 圧す、押す のである。


これを 形を変えて説明すると、





たとえばが病巣とすると、 

病巣を最終標的として設定して、圧す、押す のではなく、

パワームーブメントの途中に病巣が存在するような、

つまり 病巣をスルーして 通り抜けるイメージで圧す、押す のである。


では 患者側は こうした局面でどんな体感が形成されるかというと、

まるで

柔らかな嵐がヒョイと何気なく通過していくような 

重々しさと軽快さの入り混じった不思議な感覚となる。


これこそが ズシリと重厚な突風の推進力を持ちながら

羽毛のような柔軟をもつ 整体の指圧のえもいわれない秘訣なのである。


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