整体 MIKUNI

2017年8月の整体
 海で浮力と重心を考える



海のもたらす恩恵は はかり知れないが

8月になるとそれは 特にあふれかえるほどみなぎって来る。

私は

うだるような夏になると 寸暇があれば 名古屋から知多に走り

知多の海水浴場でひたすら沖に向かい泳ぐ。

名古屋の夏は ひたすら蒸し暑い。

南知多は 古くより海水浴場として開かれ ビーチの砂質もよく

手軽に気軽に遠泳できる格好の海である。





灼熱の光を放つ夏の太陽のもと

海水のなかで沖の遠くにまで長く遠泳していると

心身ともに解放感がみなぎり

からだ中の骨と筋肉のひとつひとつががバラバラに解体し溶けいるような

完全脱力の爽快感で満たされる。




沖への遠泳して 心と体がほぐれればほぐれるほど 

脳はより活発になり さまざまにかけめぐり

ふしぎなことに 海中に漂いながら

脳は 泳げば泳ぐほど明晰になってくるのである。


今回は こうして海の泳ぎで少し賢くなった脳で

泳ぎおける 浮力と重力について考察してみよう。


泳ぐとき 海水で推進するメカニズムの核心は

身体の重量で下向きにかかる重力と 水圧による浮力を

微妙に移動しながら身体を制御してことにある。


クロール泳法では 浮力と重力の推移について 以下の様になる。

身体の浮力は ほぼ胸のあたりで強く 肺がその中心であり

空気をとりこみ それを維持する器官が肋骨でおおわれている構造が

それを実現している。

では重心がどこが中心かというと腸から骨盤の部位がその中心にあり

海水で何も意識せず ただ漂っている場合 このあたりが一番沈んでくる。

それを図で表すと以下の様になる。





浮力のポイントは ほぼ移動なく この場所からずれない。

これに対して 重心のポイントは随意的に移動し変動し

重心のポイントを移動することで 泳ぎが推進される。


重心のポイントが腸から骨盤から でん部と股関節あたりに移動すると

浮力の中心点と重力の中心点が離れ これにより回転力が生まれ

その回転力が推進力となり スピードが加速される。


つまり つまり重心移動がスピードを生むことになる。





これに対して

浮力の中心点と重力の中心点が接近すればするほど

浮力の力は相対的に高まり 海水で浮き上がる力が高くなる。

下図がそうである。




これによって

海水で浮き上がる力が強まれば 回転力=推進力が弱まるが

浮力が強まることにより休息ができ 結果 疲労は回復できる。

では

こうした重心の移動をどううまくやるかというと

それは

背骨の胸椎と腰椎での力点移動、

骨盤とでん部での引き締めと弛緩

下腿部のバタ足による股関節にかかる力点などの

微妙な荷重のバランスを自在に移動させる技術であり

胸椎から股関節にいたる一つ一つの骨格を意識するところからはじまる。




浮力と重心をうまく制御できると

はるかかなたの沖まで 快速で長時間泳いでいけるのである。

もし

サメが怖くなかったらの話だが ・・・



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