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 究極オイル整体
 

整体をながくやっていると
ときには、
患者のありように大きな衝撃を受け
終生
忘れがたい経験することがある。

患者の長い人生を一瞬に凝縮して
最後の生の瞬間を
痛みと苦しさの中でも
にこやかにおだやかに迎えようとする
ある方の人生の最終局面に
整体施術を
おこなった時のことである。





ある日のこと、
整体に以前より時々訪れる患者さんが
自分の母親が
末期の末期の肝臓ガンで
激しい全身の痛み
食を受け付けない胃
下肢全域の強いむくみ
などなどの症状で
すでに医者も手のほどこしようもなく
ただ病院のベッドに
終日横たわるだけ
という状態のことを話し出した。

その末期がんの母親への心労で
整体にやってきた娘さんは
憔悴しきって
いつもとは別人のようになっていた。

自分の母親の話をしながら
整体を受けていた娘さんは
しばらくすると気分がよくなったのか
すこし穏やかになった表情で、

 

先生、母の痛みを軽くするために
整体は有 効でしょうか? 

もちろんです!  
整体で少しでも かならず
お母さんは、楽になりますよ。

そうですか! 
じゃあ
病院へ出張で整体を
母にやってもらえますか?

病院で許可がでれば       
すぐにでも整体に行きましょう




すぐにその場で
 娘さんは電話で担当医師に連絡し
病院にて臨床整体を行ってもよいか
との了承を求めた所
病院の快諾を得た。

その夜
さっそく私は病院に向かった。
娘さんの母上の病床へ。

私は、
病床のお母さんを目の前にして
まず その娘さんに
お母さんのかたわらに座ってもらい
お母さんの手をにぎって
なんでもいいんで
いろんな事を話しかけてもらうよう
うながした。

その娘さんの言葉に 
なかば反応があり なかば反応はなく
始終、体と表情をよじらせ
うれしそうでもあり
痛みと戦っているようでもある。

こんどは
わたしがお母さんの頭の上に
そっと手の平を置いて
さながら頭の中を暖めるように
しばらくそのままの体勢を保つ。
こころなしか
お母さんの口元がゆるむ。

次に
私の用意したベビィオイルを
娘さんの手のひらに落とし 
それを
手にまんべんにゆきわたるようにし
そのオイルに満たされた手で
お母さんの手の
すみからすみまでにぎるように
指示した。

オイルのぬめりで
お母さんの手と10本の指が
まんべんなくツルツルとなる。
娘さんにスローの速度で手と指を
マッサージするよう指示する。

しばらくすると
オイルに包まれたお母さんの手が
チアノーゼで青紫色だったのが 
血行がもどったのか
美しい朱色に染まりだした。

時間としては
ものの15分ほどたっただろうか
お母さんの顔の表情も
びっくりするくらいおだやかになり
当初の微妙に
体を不快そうにくねらせる動きも
すっかりやんできた。

 

もっと少しスピードをおとして
ゆっくりやってください.
眠くなるくらいの速度で・・   



と、私は娘さん指示する。

娘さんは
自分のオイルマッサージが
母親に効果があるとみて
うれしくなり
こころもち動きが
自然と早くなってきたのである。


ゆっくりとゆっくりと
スローでやってください・   
虫が這うようなスピードで
そうですそうです 
   

しだいに
娘さん自身の手の温度と
お母さんの手の温度も上昇し
オイル自体が熱くなる。

こうして
右と左の手にまんべんなく
半時ほどのオイルマッサージを
やり終えると
母に
劇的な変化がおとずれたのである。

まずそれまで 
たえずベッドをきしませていた音が
すっかりなくなり
微妙に動いていたフトンが
穏やかになり
ベッド全体が
波がすっかりないだ
静かな海の様になる。

顔の表情は なんと
一千年も前からそうあった様な
仏像の様な平穏!!

顔色は
それまでにない血色のバラ色で
呼吸が
ずいぶん深くなっているようで
病室の酸素が
充満しているようであった。

娘さんは
そんなお母さんを目にして
涙があふれて
とまらなくなってしまった。

 

こんなお母さんのおだやかな顔、 
ずっと見たことありませんでした・・




と絶句。

お母さんは
これ以上にないほどの
やすらかな
深い音楽の様な寝息を立て始める。

それは
なんとも形容しがたい安らぎであり
不覚にも私は
ぐっとこみあげてきてしまった

祈りこそ
究極の治療の中心であり
情愛と祈願が
オイルに灼熱の薬効を投与し
患者にこのうえない平安をもたらす
 ことになったのである。

これが私にとっての
究極のオイル整体といえる。




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