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2017年3月の整体

 

今年の春は例年になく寒く うららかな春の日は少ない

このために

体調をくずして 整体 MIKUNI にやってくる人も多い。

この時期 体調がすぐれない人が訴えることの多いのが

なんといっても睡眠障害である。

ほんとうは この時期 ポカポカと暖かい日が続くと

まどろむような牧歌的な眠りで

満ち足りた熟睡できる日が続くことも多いのだが

今年の様に あたたかさと寒さが 時なしに激しく入れ替わると

逆に こうした気候の変動に充分追随できず

睡眠障害を引き起こしてしまうこともあるのだ。


もちろん

この時期 睡眠障害をもたらす もう一つの大きな要因が気候とは別にある。


それは 3月、4月 というのは日本では 新年度への移行期にあたり

いろんな人生航路上のイベントが集中し

転勤や入学など 新しい環境への準備で

それに対応するためこうむる種々の精神的ストレスで

睡眠が障害を起こす要因である。


こうした 新しい環境への準備でこうむる睡眠障害に対し

整体の対処は

脳の中でも とくに大脳の中でも大脳皮質の前頭葉への施術である。

以下の図で前頭連合野とある部位である。






それは 新しい社会環境に準備するために

その中で適切に生きぬく方策をあれこれ考えぬく作業で

フル回転しているのが この大脳の中でも大脳皮質の前頭葉であり

そのため 

この時期ここが過重労働し睡眠障害を引き起こすことが多いのである。

もちろん たとえ働きすぎようともびくともしない前頭葉もある。

それは 新生活や新しい環境をワクワクして待望する時のように

ストレスを感じずに 期待がふくらむときは

前頭葉はどんな過重労働しようと 睡眠は平穏である。

これがひとたび 新しい環境に対して不安や厭世が多いと

そうした状態を解決するために思考し、計画を練り、実行する

それらは すべて前頭葉をフル稼働させる。

それらが良い結果を生み順調にすべりだせばよいが

ここで障害が大きすぎたり 思惑どうり行かないのがかさなったり

思わぬ事態にみまわれた・・ と

苦境におちいると ストレスとなり さらに悪化すると

その苦衷を打開しようと さらに前頭葉を酷使し問題解決をはかり

ついには体調をくずし 睡眠障害となることがあるのである。




つまり

睡眠のリズムをつかさどる脳の他の部位では

睡眠をリズミカルにとろうと必死にがんばるが

前頭葉が睡眠より他の重要事項を優先させる指示をだすために

睡眠の中枢機能が犠牲となる。

これによって 睡眠障害が引き起こされる。

整体ではこうした場合 

大脳前頭葉に深い休息を与え過重労働から解放する契機を与え

それによって 睡眠中枢の復権をし

睡眠障害を治癒する。




春の睡眠の満ち足りた光景をゆったりと詠った有名な漢詩に

しゅんみんあかつきをおぼえず

というのがある。

中国語と訳文を併記すると

春眠不覚暁 しゅんみん、あかつきをおぼえず
処処聞啼鳥 しょしょに、ていちょうをきく
夜来風雨声 やらい、ふうう、のこえ
花落知多少
  はなおつることしらぬ、たしょうぞ
 

春の眠りは気持ちよすぎて 夜が明けてもぐっすり眠り続け

あちこちからの鳥の鳴き声で やっとめざめた。

それでも ふしぎと 昨夜の風と雨の音は耳に残っている・・・。

その風雨で夜の間に うつくしい春の花も散ってしまっただろうか?


もちろん

ここには大脳の前頭葉の過重労働の跡はなく

あるのは

やすらかなで たっぷりとした睡眠、

聴覚へのこころよい刺激のいくつかの鳥の声

半覚半睡 はんかくはんすい の睡眠と覚醒の混合状態のまどろみの快適

風と雨のおぼろげな音の記憶

春の花の地上に落ちていく残酷

・・・・・

春のねむりの至福の断面を詠ったこの詩は 睡眠障害の対極に位置し

整体の睡眠障害への技法は

これに類する状態を刹那的に脳につくることなのである。

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