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2019年6月の整体 
 体温コントロールで熟睡にいざなう
 

思ったような睡眠ができていない人が 整体をうけて、

『びっくりするくらいよく眠れた』 と 喜ぶことが多い。

たっぷりの熟睡が取れた時の幸福感は たとえようもなく

身体の蘇生と 強い充足感が 最も経済的に獲得できるのが 熟睡である。


たとえば 小説的に言うと、

睡眠障害にたえず苦しむ妻が

その傍らで幸福そうに熟睡している夫の寝顔をみていると

夫への憎悪がふつふつと湧き起ってくる情景なども これに近い経験をしている人も多いかもしれない。

睡眠障害は それほど苦しい。


熟睡に至る方法とテクニックは 多々あるが

今回は そのうち体温コントロールにしぼりこみ記してみよう。


ヒトは 恒温動物というカテゴリィに属して

体温が一定の範囲内で 環境の急激な温度の変化に対しても 

大きな変動が起きないような体になっている。

しかし体温は、

微妙な範囲内で 太陽と地球の回転に準じ24時間つまり一日を基準にして

生体リズムをかなで 微妙に変化している。

これをサーカディアンリズムによる 体温変動という。

睡眠のリズムも このサーカディアンリズムによる体温の変動で影響されている。


サーカディアンリズムに 最も従順にリズミカルな毎日を送っていると

通常は

 日没後 徐々に体温は下がってきて 深夜2時〜3時頃が一番低くなり

朝 目覚めて活動が始まると 徐々に体温は高くなり

午後2時〜3時が最も体温が高くなる。

その体温差は 平均的に約0.7度と言われている。

つまり この0.7度の間の変動によって

睡眠と覚醒がリズミカルに変転するように動いている。

熟睡の入り口は 徐々に体温が下がったポイントに合致すると うまく入眠できて

低温傾向のまま熟睡に入り

朝が来るとともに 体温が高まる傾向の中で 起床すると

熟睡感に満たされるという事になる。


ここで 疑問になるのが

入眠時は 身体がポカポカしてあたたかめの方が眠りやすい印象があり

体温が下がると眠くなるという感覚を納得がいかない !

実は

サーカディアンリズムによる 睡眠にまつわる体温の概念は

体感的な実感体温とはちがうので

それは 深部体温 なのである。

深部体温は 実感体温である表面の皮膚温度ではないのである。

つまり 体温は 深部と表面の2種ある。

睡眠は このうち深部体温に影響される。

このため

入眠時は 身体がポカポカしてあたたかめの方が眠りやすい印象は 間違っていなくて

入眠時は 事実 表層の皮膚体温は高くなっている。

が この時 深部体温は 低くなっているのである。

逆に 昼間 活動時には

深部温度に対して皮膚温度は 約2度ほど 低くなっている。

このように 深部温度と皮膚温度は 逆の波動をえがいて進行している。

こうした現象は つまり 身体も深部と表面の間で温度差をもつことで

熱の放出と取り込みを繰り返し身体全体の熱量の管理するメカニズムに由来する。


深部体温は 文字どうり体の深部の体温であるが

特徴的な 深部体温の部位は

脳、直腸、食道、内耳 などである。


ここまでくると

脳や内臓の動きを活発にして温度を上げると入眠しにくい理由がわかりやすい。

つまり

脳を興奮状態にしたり 消化活動を活発にして内臓の動きを活発にして内臓体温をあげていると

睡眠が入りにくいのである。

また 風呂に入って30分から90分すると 深部体温が冷えてくるので

その時がまさに 入眠のジャストタイミングである。

また 昼間 充分に運動をして 深部体温を高めていくと

夜になり その平衡を保つために 深部体温は下がりやすいので

睡眠はより順調に進行しやすい。


さて 整体であるが、

こうした睡眠における 体温メカニズムを十二分に利用して

『 整体の体温コントロールで熟睡にいざなう 』


整体の施術では、その標的とする身体部位が

表層なのか? 深部なのか?

インナーマスルなのか? アウターマスルなのか?

毛細血管なのか? 深部動脈なのか?

内臓なのか? 筋膜なのか?

これらの識別は きわめて重要である。

この時 患者が睡眠障害で その中でもとくに不眠を強く訴えるケースでは

深部体温と表面体温の高低のメリハリが鮮明になるような施術を行う。

患者は 施術中に 深部体温と表面体温の高低が 猫の目の様に入れ替わり

どっと熱くなったり 急に冷え込んだり を繰り返す。

この結果 体温の入れ替わりがスムーズに行われ

その日の入眠時には

おどろくほど容易に 深部体温がスッーと下がり

深い眠りにつくところとなる。


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