整体 MIKUNI トップページへ
 
アトピー性皮膚炎


成人後の かゆみは

そのつらさで ヒトをひどく思索的にさせるが

長くかゆみの改善がなければ 思索はしだいに絶望にかたむいていく。

かゆみの苦しみは 痛みの苦しみとは少し違い

出口のない猛烈なかゆみは やがてこころのゆがみとなり

さらに 皮膚にあらわれた異変の様相を見れば見るほど

絶望は深くなる。



こうした かゆみの絶望から救うのが

最近の医学研究の成果のひとつである、

アトピー性皮膚炎は皮膚だけ見ていても解決は見いだせず

内臓、特に消化管へのアプローチが改善の道を開く


という視点である。

たとえば 今までの多くのアトピー患者は皮膚科にゆくと

内臓に肉薄する処方はされないまま

対処療法として 塗り薬と飲み薬の処方に終始していた。

当然 はかばかしい成果は得られず

いくたの病院を駆け回ることになるが

多くの皮膚科は 大同小異 根本的な解決策は提示されず

落胆しながら 結局は自分が心身ともに変わるしか手はないのか

途方にくれることが多かった。



こうした状態から徐々に脱却する大きなうねりが医学界で起きている。

つまり アトピー性皮膚炎の治療は

皮膚だけにアプローチする時代


終焉をつげ 全身性の免疫系からアレルギィ体質を変えていく

という方向になってきたのである。

こうした潮流によって

アトピー性皮膚炎は免疫不全あるいは免疫系の混乱という全身性の視点から

の治療で治癒をはかられることになったのである。 

 具体的には 皮膚以外に

腸管、血管、リンパ節、等の免疫系をになう器官と組織を

総合的に診ることにより 解決の道筋を示すのが

医学界においても やっと アトピー性皮膚炎の治療の本道となってきた。


整体も

もちろん はるかに昔から こうした全身性の免疫系の視点から

アトピー性皮膚炎を とらえてきたのであり

整体からみれば

最近のこのような西洋医学界の変容は いかにも遅すぎる潮流といえる。


漢方の世界では はるか古来より

腸の異常は皮膚にあらわれ 皮膚は腸相をあらわす

という 腸皮膚相関をとなえ

皮膚の改善は まず腸から という原則をとっており

アトピー性皮膚炎も例外ではない。


つい最近 こうした漢方の考え方を後追い検証する形で

西洋医学が

免疫系をになう器官は 半分以上の割合で 腸がそれを負担している為

免疫系アレルギー疾患の元凶が腸にある

という説を公式化してきた。

もちろん 西洋医学の場合 こうした説の論理的な根拠が絶えず存在し

ある程度の実証的なメカニズムが

こうした説をささえるために

整体の世界も 大いにこうした成果を援用させていただいている。


たとえば

リーキーガット症候群

小腸の腸管壁が炎症によりゆるんでしまい

そのゆるみから 本来小腸からは分子サイズが大きすぎて吸収されない物質が

血液中に放出され それらを免疫システムが異物とみなし

アレルギィーを引き起こすと言う症候群であり

その代表がアトピー性皮膚炎である。

アトピー性皮膚炎の原因の一つに数えられている。

リーキーガット症候群

は いわゆる 「腸漏れ」とも呼ばれ

小腸の壁において まさに

まるでテニスラケットのガットが緩んで広がってしまった部位から

本来漏れてはいけない物質が漏洩することをさす。

通常 正常であれば小腸壁から漏れ出さない異物を

キャッチした免疫応答システムが作動し

いったんその異物に対する抗体が造られると

体内にはその食物に対する反応する抗体が存在するために

アレルギィー反応が簡単には消えないのである。

さらに このリーキーガット症候群

結局 小腸の漏れにより 正常な栄養吸収作用にも影響し

深刻な栄養不足と 解毒作用の低下を生む。

こうなると ますますアトピー性皮膚炎の解決が遠くなる。

これは 腸とアレルギィー発症の関連の例の一つである。


すっかり前置きが長くなってしまったので これくらいにし

具体的には 以下のような要点で

アトピー性皮膚炎に対し 整体は構成される。

 内臓

内側からアトピー性皮膚炎を解決する。
これが 整体の原則であり
内側とは まず内臓である。

 小腸
小腸の免疫系は

十二指腸を経て運行されてきた食物の

病原細菌を防止するのが特色で

リンパ、M細胞、樹状細胞、IgA抗体、など 

多彩な物質で免疫系を構成している。

こうした 小腸の免疫系は主に小腸壁が

活躍の場となり このため小腸壁に異常があると

免疫応答システムに異常がみられ

アトピー性皮膚炎の遠因となるのである。

 
小腸の外側、及び

小腸壁の筋層が

弾力を失い萎縮が強く また

相反するが 同時に 

過緊張により硬直が強いという

状況に アトピーの患者が陥っていることが多い。

こうした相反する萎縮と過緊張を解くことが 

小腸施術の基本。

大腸
大腸の免疫系の特徴は

そこに共生している大量で多種類の

圧倒的な腸内細菌群である。


小腸で解決できなかった病原細菌は

この大腸で共生している細菌群が

解決することになる。

ところが 

この細菌群の共生が何らかの原因で破綻すると

免疫系に混乱が生じて 疾病の引き金になる

アトピー性皮膚炎が その一つである。


これらの細菌群の平和な共生空間に

混乱をもたらす物質の可能性として考えられるのが 

化学物質、薬品、農薬、腐った食品、等のもので

これこそが 

アトピー性皮膚炎を現代病と称するゆえんである。

 
細菌群の共生を

復元正常化させるのに

最も効果的なのが

大腸壁に附着した宿便を

排出させことであり 

ひとたび 

大腸内の沈殿付着した

ドスグロイ宿便が

体外に排泄されると 

再び

細菌群の共生環境が作られ

健全な大腸に戻ると

皮膚に出た湿疹が

消えてゆくことが多い。

整体施術は 最終的に
 
この宿便排出に向かって進む。

肝臓
肝臓自体も解毒作用があり

肝臓に流入する血液中に紛れ込んできた

有害物質を 分解して、無毒化している。


さらに 

腸と肝臓は門脈という血液館で結ばれ

腸で解決できなかった有害物質を肝臓で

解決するルートをもっており

これによって 腸内環境の整備ができ

快適な腸機能を維持できるシステムがある。


このため肝機能が低下すれば

腸機能も連動して悪化する。

腸の順調のために肝臓の存在が重い。

 
肝臓は 

ほぼその半分以上が

肋骨により保護されているため

体外からの触診では 

全貌をつかみきれないが

一部は肋骨から外れているためその部位で触診、

刺激ができる。これにより 

直接に指圧により活性化が可能


また 背部の胸椎からの

肝臓への反応点に対する

連続する的確な刺激は

肝臓の覚醒をうながす。


さらに

胸部から胸筋群に対して行う

マッサージは疲れ切った肝臓に

対して有効である。

腎臓 
腎臓の大きな役割は

血液を ろ過し 浄化し

血液中の不要なものを 老廃物として 

尿の形で 体内に排出する。


また
 
必要な物は 再度血管にもどし 循環させる


こうして

最終排出器官としては 大腸とともに

最大の役割をになう訳で この機能が低下すると


体全体の毒素や老廃物の停留が多くなり 

代謝能力が低下し 食物の栄養吸収は劣化し

ひいては免疫力の低下を招き あやうさのただよう

いわゆるひ弱な体となる。

このためストレスに打たれ弱くなってしまう。

こうした観点から 腎臓を立て直すことは

アトピー性皮膚炎を解決する上で 重要である。


腎臓は 

最も弱いのは冷気であり 

最も喜ぶのは暖気である。

このため腎臓を温めるのは 

腎臓をおおいにふるい立たせる。

背部の方向から 双手にて

腎臓のポイントに暖気を

送り込むと 腎臓は 

よみがえりやすい。

ひとたび 


腎機能が低下すると

その回復はてこずるため

弱体した腎臓には時間をかけた

取り組みが必要。


ただし腎臓は 

精神的なストレスには

それほど影響を受けない

という性格がある。

 
 皮膚

整体では アトピー性皮膚炎の場合
皮膚そのものへの施術は行わない。
ただし
アトピー性皮膚炎の患者は
皮膚の常時の炎症により 以下の3点、
@ 皮膚呼吸のいちじるしい低下
A 皮膚の毒素排出能力の低下
B 発汗作用による体温の恒常性に問題
があるため
他の器官によるこれらの補完できるような
身体作りを行える施術をする。

 血液 

血液がアレルギィのもととなる物質を
体中にくまなく運ぶ役割をにない
これにより 体中の皮膚に炎症反応をおこす
血液浄化の必要となるゆえんである
血液浄化は 血管そのものの再生、血行の循環を良好、
という 血液の運行の環境整備によってももたらされる。
当然
血液ろ過や血液内解毒の中心となる 
小腸、腎臓、肝臓の内臓の機能回復も重大である。

  リンパ
 
リンパは
いわゆるリンパ系と血液内のリンパ球の2つの方向で考えなければならない。
リンパ系とは リンパが働く体内全体のリンパ全体のネットワーク、
リンパ球とは血液内の白血球に含まれる免疫細胞を作る物資。
いずれも アトピーとは密接な関係があり
なかでも リンパ球は T細胞というものをもち そこでさらに2つの細胞
つまり Th1細胞とTh2細胞が 
アトピーを生み出す最前線の免疫細胞といっていい。
直接的には Th2細胞がTh1細胞に比し活発になると
外部からのアトピーを誘発する物質に反応しやすくなり
アレルギィをおこすわけであるが 
これはTh1細胞が相対的に不活発になると
Th2細胞が活発に反応することが分かっている。

  呼吸

アトピー性皮膚炎は なべて
呼吸が浅くなり 深い呼吸ができない状態に陥る
なぜなら
アトピー性皮膚炎は 常時異常な緊張におかれ
その過度の緊張と不安定さが 
呼吸筋群の硬直を生み 深い呼吸がはばまれるからで

また 内臓の機能低下により
内臓を扶助する筋肉群も疲弊を生み 
これにより横隔膜の動きも鈍く 
結果 呼吸が浅く乱れ絶えず息苦しい。

呼吸がこのような状態になると 当然酸素の欠乏を生み
その結果 血液の質的劣化となり 
アトピーに対抗できる体から さらに遠くなる。

整体は こうした劣悪な呼吸環境を改善する

 ストレス対抗

ストレスが病の核心にあることは
アトピーにかぎらず すべての病にいえる。
ただ アトピーの場合  
ストレスとのからみは
とりわけ重大である
ひとつは 
腸機能が心理的状態と密接な相関があり

ストレスが腸機能にすぐ反応すること。
感情の推移の変動や 心の深刻なうねりは
皮膚にうつしだされること。
こうして 
不安とおびえ 恐怖や悲観は
いったんアトピーが発症すると
それを悪化させ 難治性の高い要因になる。

せまり来るストレスをうちけすことはできない
どんなストレスに対抗できる体つくりが必要。

 筋肉

アトピー性皮膚炎の緊張度の高い日常は
以下のような部位の周囲の筋肉を硬直させる
@ 胸椎の第3番から第8番にかけて

A 鎖骨から胸部にかけての筋肉群
B 後頭筋群
C 頸部
これらの過度の緊張により 睡眠状態は劣悪で
ストレスに果敢にいどめる体勢が取れない。

  食事

食事の内容の総点検と根本的見直しは
アトピー性皮膚炎の場合
いうまでもなく最重要の案件であり
それは アレルゲンが何かという視点からではなく
内臓の健全を回復するための食の総点検が必要なのである。
とりわけ小腸と大腸を絶好調にする食、
肝臓と腎臓の機能強化を果たす食、
の観点から 根本的見直しをはかるべきである。

整体は こうして
食生活のどんな変貌にも対応できる
体つくりを目標にする。



アトピー性皮膚炎とは つまり

全身でアレルギィという戦いが起きている結果であり

単に皮膚がかゆい・様相変貌という局所だけの局地戦ではない。

このため

皮膚だけにとらわれている限り 戦いは果てしがない。


整体による 

成人のアトピー性皮膚炎の終結への道筋は おおよそ以下の様になる。

寛解の第一のきざしは

大腸の動きが軽快になる。

つまり排便が快適になり 腸のあたりがなんとなく軽くなってくる。

すると

次に 食欲がわき 食が旺盛になり 食べることの愉悦が深くなる。

第二のきざしは

眠りが 少しずつ深くなる。

次に 深い憂鬱感が薄らぎ ストレスの心理的負担がこころもち軽くなる。

そうして しだいに 小便も大便も快便が続くと

ある日 突如 大便が真っ黒なタールのような異臭を放つものとなり

一気に大量の宿便が排出される。

これにより腸の環境は一気に復調し

しばらくすると 次第に皮膚のかゆみと様相に変化が現れる。

こうして 知らない間にアトピーが消えてゆく・・・・・

これが 終結への流れとなる。

当然 個人差はあるので そのテンポと時間は様々である。


 整体 MIKUNI トップページへ