整体 MIKUNI トップページへ
変形性膝関節症の実体


膝は ヒトのいくたの関節の中でも

ずばぬけて大きな関節でできていることから

多大な体重や運動における荷重負荷が

ある程度吸収できるような仕組みになっているのは事実であるが

しかし ここで根本的な誤解があるのが

膝の関節が こうした体重や運動における荷重負荷を

本来 受ける役目をになっているという考えである。

これは 基本的にまちがっている。


膝の関節の重大な役割は

膝の多方面への動きをなめらかにするのが第一の任務である。

つまり 多方向へ動く柔軟性の保持が 膝関節のミッションであり

したがって 膝の関節の役割が

体重や運動における荷重負荷を吸収することではない。


では

体重や運動における荷重負荷を どこが担うのであろうか?


それは ずばり 骨格筋である。

下肢全体の骨格筋が 体重や運動における荷重負荷を担うのが

健全な身体なのである。

このため

骨格筋の状態が悪い場合 つまり

骨格筋の剛性が不足し 荷重が支えきれない場合、

骨格筋の硬直が強く 荷重が吸収できない場合、

骨格と骨格筋の位置関係のねじれなどアライメントの不良の場合、

などなど が長時間にわたると

膝の関節に 過度な荷重負荷がかかるようになる。





変形性膝関節症の実体は

この 本来の骨格筋の役目である 体重や運動における荷重負荷が

極端に膝関節にかかってしまい

本来の任務でない この荷重の多大な受けによって

膝関節が ねをあげて 関節が変形していくことなのである。

年齢が若く、頑丈な若々しい時期は

こうした過酷な仕事も たえれるのであるが

年齢とともに こうした過酷な荷重が膝にかかりすぎると

関節の変形が始まる。

これが 変形性膝関節症の実体である。


さらに関節内の状況は

ホルモン分泌などの調整によっても変化する要因があり

これは ひとり膝関節にとどまらず すべての関節においての

ホルモン分泌の変動による影響はさけられず

こうした背景によっても 関節内の変形は助長し進行する。



変形性膝関節症の実体とは

身体全体の体重や運動荷重が膝にどうかかっているのか、

膝を取り巻く骨格筋の状況はどうなっているのか、

身体全体の骨格の位置や方向は如何にになっているのか、

年齢による身体機能の劣化は 膝以外にどう進行しているのか、

ホルモンバランスなどの内分泌の安定性は如何、

痛みに対する 特有の反応気質があるか、

などの因子を分析することで 明瞭になってくるのである。


これらを まとめ 大まかないいかたをすれば、

変形性膝関節症の実体は

膝にかかる負荷のありかた と

年齢による身体劣化の程度

の2つの要素で決定される。


この前提を理解したうえで 膝の解剖を進行していくと

膝の本質が よく理解できる。


膝関節を正面から解剖下図が下記である。

関節包でカバーされた膝関節は

関節包のすぐ内側に張り付く滑膜を介して

その中を滑液で満たす。

その滑液に満たされた空間に

半月板、関節軟骨、十字靭帯、がおさまっている。





変形性膝関節症とは つまり これらが以下の様に劣化していくことを言う。


滑膜の変形
関節包の変形
滑液成分の変性
半月板の変形
軟骨の変形 
十字靭帯の変形
骨格の変性
骨棘の形成


もちろん 軟骨の変形だけではなく 対象となる変動劣化は多く

重症になるにつれ これらの要素がすべて劣化していく。

最終段階になると 骨頭と骨頭がぶつかって 強い痛みで歩行ができなくなる。

変形性膝関節症の難治性がここにある。







その初期症状では ときおりしか自覚症状が出ないことと

レントゲン撮影をしても 骨格そのものは反映されるものの

軟骨の状況はレントゲンでは反映されず

異常なしと診断されることが多い。

MRI診断では 新技術がもりこまれたMRIによれば

軟骨の状況と 骨格そのものの変性進行が 確認できるものもあり 

変形性膝関節症の初期症状でも特定できることがある。


変形性膝関節症の代表的自覚症状は

歩行時の疼痛、

階段昇降時の疼痛、

正座の不可、


変形性膝関節症の目視診断における患者の体型・姿勢のポイントは

O脚、X脚 などのアライメントの破綻、

歩行の異常、


変形性膝関節症を引き起こす連鎖病態は、

腰痛、背中痛、股関節痛、足首痛 である。


さて こうした 膝関節内の解剖図によって

膝関節そのものは 荷重の過酷な試練に 実に脆弱な造りであることが

理解しやすいと思う。

こうした 荷重が関節内にかからないようにするのが

骨格筋による筋肉群の重大な任務である。

いわば 骨格筋筋肉群が 膝関節を荷重から保護しなければならい。


変形性膝関節症は

この骨格筋筋肉群が 膝関節を保護できないところからはじまる。

それが 年齢という要素がからみ その出現の時期が決定される。


整体 MIKUNI トップページへ