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むくみ
 
 もし あなたが むくみ体質だったら・・・


むくみで苦しむ人は多い。

軽度の 時々起こって 知らぬ間に消えていく むくみ から

むくみの背後に深刻な病態と病巣が存在する危険水域にあるむくみ まで

むくみの度合いは 軽重の振幅の幅がかなり広い。





むくみの

こうした軽重の度合の広さは むくみ自体がもつ本質からきている。


むくみ とは 簡単にいえば

血管内成分と血管外の液体(間質液)のバランスに異常が生じ

血管外の液体(間質液)の部位が うっ滞・停留・膨張する状態をいう。

このため むくみは外から圧すれば 一瞬へこむ そして すぐ戻る。


むくみの現場が 液体であるがために 変化移動がたやすく 

出現と消滅が 容易に変転しやすい特性を持っている。

このため 身体上の様々な要因、つまり軽微な要因から重大な要因まで

いくたの原因で むくみを生みやすいのである。


このように むくみの要因は多いため 習慣的な身体動作や行動スタイルによって

慢性的に むくみが出やすい体質となってしまうことが多い。


整体は こうした むくみが繰り返しでるのが 体質となってしまった人に

その体質の転換をはかる 格好の治療法を提供している。

まず どんなシーンでむくみが出るのか まとめてみよう。


 夕方になると ふくらはぎが むくんではれる 
 足が疲れてくると 靴が はきづらくなる
 長時間のデスクワークで むくんでしまう
 朝起きた時 いつも 顔がはれてむくんでいる
  疲れると 顔がむくんで 顔が大きく見える
 酒を飲んだ 翌日はむくむ
 長く車に乗った後は むくむ
 外食が続き 塩分の多い食事で むくむ
 ビタミン ミネラルの摂取が 少なく むくみやすい
 薬の副作用で むくみやすい
 運動が激しく 水補給が不足すると むくみやすい
 睡眠不足で むくみやすい
 ストレスや 悩みが多いとき むくみやすい
 更年期障害のひとつとして むくみがでる
 冷えで悩まされると むくみやすい
 朝起きると 指がふくれてしまう むくみ
 熟年になって 時々ひどく むくんで歩けない日がある 


このようなことが くりかえし 身にふりかかるのであれば

あなたは むくみ体質といえる。

むくみは でっぷりとふくらんでしまう見栄えが問題なのは いうまでもないが

それ以上に

血管外の液体(間質) の うっ滞・停留・膨張により

新陳代謝のいきずまりをみて 

軽症であれば 身体の軽快が喪失する、疲労が蓄積する ところから

重症に至ると 内臓の機能低下、生理作用の破綻、自律神経の乱調 など

多方面に影響を及ぼす。

このため むくみの体質を転換することは大切である。


 夏こそ むくみと決別


むくみ体質の人は 季節を問わず それなりにむくみをきたしやすいのであるが

春は 比較的 うららかな気候で むくみが少なくなる事も多い。

ただし

花粉症とか あるいは春特有の不安定な気候に災いされて

逆に むくみが悪化する人も多い。

これでわかるように

むくみを誘発する因子は いたるところに存在する。


春が終焉すると 次には梅雨が到来し

梅雨は むくみ体質のひとには 一倍つらい季節となる。

湿度の上昇や 疲労が取れにくい季節であるため

体が 重く、鈍く、どんよりしている状態に陥りやすく

これが むくみを生むのである。

むくみは 通常 身体の末端に多くみられるが

梅雨時のむくみは それ以外に 全身性、あるいは内臓のむくみも

多く散見する。


さて こうした むくみと決別する 体質を転換するに 最も適した時期が

じつは夏である。



なぜかというと 夏は水と親しむには 最も適している所からくるので

とくに 海水浴、川遊び、温泉浴、サウナ、ぎょうずい、水鉄砲遊び、滝に打たれる

などなど むくみ体質の転換をはかるには もってこいの時期である。


当然

暑い夏で むくみの体に鞭打つに

体を一寸でも動かしたくない事も事実である。


ここでいう 水に親しむとは 体の水分循環の不調を

外からの水分を体で受けることで改善を図る狙いであることから

自分なりの 親水方法を考える出すことが必要である。


たとえば 風呂の入り方を変更し より湯水につかる工夫も一つである。

むくみ とは つまりは身体の水循環の不調にあるので

水を水でもって制する という法則に準じる。


まず それは 水に親しむことからスタートなのである。

身体の哲理から言えば むくみ体質とは 水循環のいきずまりであり

それを 外から水を親しむことからを起点にして 体をよみがえらせるのである。

たとえばそれは 水圧を受けるだけでも効果がある。

たとえば 水道水をホースで体にあびせかけられるだけでも

効果は高い。

そこに運動性が加われば なおいいのである。





基本的には むくみ体質の人は 必要運動量に達していない体が大きな原因となっている。

水に親しみながら 運動量を高めることが最も必要とされる。

それによって からだじゅうの水が躍動しだし

むくみ解消の道が開ける。

つまり むくみとは からだじゅうの水の流れが悪いのである。

水を水でもって制してほしい。




したがって

夏こそ むくみと決別する好機。

その決別する あなたの具体的手段は この稿を最後まで目を通せば

はたと浮かんでくるはずだ。


むくみの現場はどこか?


すでに述べたように むくみは血管外の液体 (間質液) で起こっている。

現場は まさに ここなのである。

それを詳しく説明してみよう。


人の体の構成を 個体と液体というカテゴリィで重量で区別すると

個体は40%、 液体(体液)は 60%となっている。

その60%の体液のうち 

60万個ある細胞の内側の細胞内液が70%、

細胞の外側の細胞外液が30%、

その30%の細胞外液のうち

20%が血管内血漿にあたり

80%が 血管外の液体 (間質液) である。

ひじょうにわかりにくいのであるが

ここは大切なポイントであるので何度も読み返してほしいところである。 





間質液の人の体内の総体積は ヒトひとり 11リットルの量である。


よりわかりやすくするため 以下の図を見てほしい。

細胞内液とは

一個一個の細胞の内側に存在するものであり

細胞外液とは

細胞の細胞膜の外の存在する 血管内にある血漿リンパ管内のリンパ液間質液の合算である。





そして 間質液は 上図の⇒があるように

細胞内と血管内とリンパ管内を出入りするわけで この出入りが支障を生じ

間質液の割合が大きくなる状態が つまり むくみなのである。

むくみは ずばり ここが現場である。


この 間質液と血管と細胞内との 行き来のメカニズムのひとつが 浸透圧である。

浸透圧を理解することは 実は生理学理解の基礎となっており 大切な概念である。


浸透圧とは、

   1.濃度の異なった2種類の液体を隣り合わせに置くと、お互いに同じ濃度になろうとする。

この同じ濃度になろうとする力を浸透圧という。

この浸透圧のバランスが崩れることで 間質液が膨らむ。

とくに血管内の浸透圧と 間質液の浸透圧の平衡が崩壊すると 間質液に血管内の血漿がなだれこみ

むくみとなる。

その平衡を維持している物質が 血漿では電解質 とアルブミンというもの。

電解質とは 液体になった時にマイナスイオンとプラスイオンに分離するもので

ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩化物、リン酸、炭酸水素 などである。

アルブミンとは タンパク質の一種で 肝臓で生成される。

この電解質とアルブミンの趨勢が 浸透圧の平衡を乱す。

たとえば ミネラル栄養のアンバランスによって血漿中の電解質が変動すると

それが 浸透圧の変化をともない 間質液のむくみを誘う。

また

アルブミンを生成する肝臓の機能低下や異変があると アルブミンの血漿濃度に変動があり

浸透圧の影響をきたし 間質液がふくらみ むくみとなる。


浸透圧の他に もう一つの要素が血圧である。

動脈の硬化、静脈の滞留、リンパのつまり などにより 血圧の上昇がおこると

血管から間質液への移動が大きくなり むくみを生む。


また 身体のどこかに 炎症が強い場合 その炎症反応により

血中にサイトカイン、ケモカイン、神経伝達物質などが放出され

その刺激で血管の透過性が昂進して

血管から間質液への体液移動も高まり むくみを生む。


さて この間質液について 非常に面白い記事があった。

それは 2018年3月 アメリカの科学誌 『Scientific Reports』誌上のこと、

間質液の価値を見直すべきという趣旨で

これまで間質液は単なる結合組織と さいなまれ重要視されては さほどなかったが

この隠された作用の重要性が認識され

間質液を器官として見直すべきというものである。

ニューヨーク大学などの研究チームによると、

間質液は 身体のいたるところに存在し

皮膚の下部、消化管や膀胱、肺、動脈の周辺にある網状の組織が

「衝撃緩衝材」としての機能を果たしている可能性があるという。

人間が呼吸や食事といった一般的な日常生活を送る際に、

臓器の膨張や収縮を この間質液が可能にしているとみられる。

間質とそれを満たす間質液の存在はこれまでも確認されていたが、その役割については

多くは解明されてこなかった。

今回の研究で間質液は、

細胞が発するシグナルや有害な分子の存在を伝達する役割を担っている

可能性があることが明らかになっている。

論文は、

「この発見により、さまざまな臓器の機能的活動や、疾病における通常とは異なる体液の動きについて、

再考する必要が出じるかもしれない」と結論づけている。


つまり 間質液の 今までに知られちなかった作用に これから

新たな発見が生まれる可能性がある。


むくみの隠された前兆


むくみは

身体のかくされた病気の前兆であったり、思いがけない大病を気づかせる事があったりする。



心臓に疾患がある場合も むくみが起こり

心不全、不整脈、では 顔、手、足にむくりが広がる。

とくに心臓疾患の場合は、指でむくみを押すと跡がつく痕跡浮腫(こんせきふしゅ)が特徴。

心疾患が原因のむくみは特に心性浮腫と呼ばれる。

肺循環系である心臓右心室に機能障害が起こるとむくみは全身に起こるが、

全身循環系である心臓左心室の場合は肺に水が溜まる肺水腫になる。

心性浮腫は体を横にすることで心臓への負担が減少するので、むくみが軽快する。



肝臓に疾患がある場合も むくみが起こり

とくに 肝臓で生成される アルブミンは 肝硬変により その生成能力が低下し

結果 血液中のアルブミン低下で 浸透圧が低下し

血管から間質液への体液移動が大きくなり むくみを引き起こす。


腎臓に疾患がある場合も むくみが起こり

腎臓の糸球体等の機能低下により 血液のろ過作用で 血液内の不要な血漿分がうまく排出されず

再度 血管内にもどってしまい 結局 血管から間質液に行く量が増え 

むくみを生んでしまう。


内分泌の異常により むくみが起こり

甲状腺機能低下

クッシング症候群

は その代表例である。

甲状腺機能低下によるむくみは

水分の貯留による浮腫とは病態が異り むくみを圧しても痕跡が残らないのが特徴である。


栄養障害によっても むくみが起こり

蛋白漏出性胃腸症

メネトリエ病

ビタミンB1欠乏症

貧血

などでも むくみが生まれる。


静脈性浮腫と称した 一連のむくみもある。

下肢静脈瘤

深部静脈血栓症

がこれにあたる。



むくみが 局所か全身にあらわれるかを分別することは

むくみの背後にある病気を診断する上で重要である。

全身性むくみは

腎性浮腫(ネフローゼ症候群,腎不全など)が最も多く,

ほかに肝硬変や心不全などがある


また

むくみを圧迫して へこんだあとがのこるかどうかのチェックも重要である。

痕跡浮腫(pitting edema)か非痕跡浮腫(non-pitting edema)。

非痕跡性浮腫は

間質液の蛋白濃度が増加するリンパ浮腫や

ムコポリサッカライドが増加する甲状腺機能低下症でみられる。


 むくみ 整体のやり方


むくみ体質 とは 以上 るる述べてきたように

間質液の液体状の うっ滞・停留・膨張 が慢性的に繰り返される体質をいう。

この間質液の異常に膨らんだ状態が むくみであり

むくみとは 疾患の原因そのものではないため 

いくら 刹那的にむくみの程度が軽快になったしても

間質液の異常を引き起こす根源的な生理作用の乱調を転換しないかぎり

むくみ体質は変転しない。


整体の むくみ体質を転換するやり方をスタートをしてみよう。


まず第一段階は

当面の現出している むくみを刹那的にしろ解消する所から始める。


それは 刹那的施術と呼ぶ。

一瞬にしろ むくみを解消ことによって その人のむくみの実際と特有の個性がわかる。

当然ながら むくみもその人の個性が現れる。

むくみが 解消する様相や速度 部位ごとによる相違などなど

を観察することで 個人個人のむくみの特性がわかる。


またヴィジュアル的に むくんでいたものがスゥーとひいて引き締まるを目撃するのは

患者本人にとり大きな喜びであり

次のステップの体質転換への期待を生じさせる。


刹那的施術の基本は

むくみの現場である間質液に対してダイレクトに行われる。
 
そのやり方の実際は リンパ管走行にもとずいて行われる。

リンパ管に含まれるリンパ液も 一部は血管内にある血漿と同様に間質液に交じり合うのであるが

このため リンパ管走行にもとずいてマッサージを進行することで

リンパ管そのもの 及び 間質液の全体に 大きな影響を付与するのである。


リンパ管走行は全身くまなくびっしり整備されており

途中 リンパ節と称したリンパのプール池があり 

このリンパ節は

リンパ管内の異物や敵に対して免疫発動を発揮してこれを食い止める関所・濾過の任務を持っている。

リンパ節の大きさは3センチ位までの大きさで 一つの節にはそれが数個集まっている。

このリンパ節が 全身で600か所ある。

リンパ節で濾過されたリンパ液は 最終的に静脈に合流して血管系となり心臓に突入していく。

刹那的施術は そのリンパ管の走行に準じ マッサージ手法で行う。

そのマッサージも むくみの場合 指圧のような 点を追求するよりも 

点からラインに照準をあわせ 点を面に変えるやり方が適する。


以下の図は むくみに対する反応点をドットした指圧表である。

指圧の場合これらのポイントを 一つずつ押すのであるが

整体では これを押すより 流していくやり方をとる。

つまり

こうした点を 面としてとらえる オイルによるマッサージの様なものが むくみには適する。






また この時注意するのは その圧力である。

リンパ管の構造そのものは もろく柔軟性が強いため リンパ管にかかる圧力が

強すぎても また 弱すぎても ダメである。

その微妙な兼ね合いが オイルによるりんぱマッサージの秘訣となる。


リンパ管の循環スピードは 血管とくらべて おそろしく遅く

その速度は 諸説があるが

たとえば 1分で25cmと記するのもある。


対して

血管の血液走行スピードは きわめて速く

大動脈では 1秒で30cm、1分で18m。

ただし 毛細血管になると リンパより遅くなり 1分で6cm と言われる。


 整体施術の速度をは

このリンパ管走行の特性にもとづいて決定される。


リンパ管走行の駆動は 血管にあたる心臓のような強力な駆動力が無いため

近辺の筋肉の収縮拡張のパワーを借り、

呼吸活動で横隔膜の上下運動の刺激力を借り、

腸の蠕動運動の動力を借り、

血管の拍動力を借り、


と 完全な他力による走行となる。

このため リンパマッサージとは 正確に言うと リンパ管そのものを標的とするのではなく 

こうしたリンパ管走行の動力源となる これらの器官をねらってするのが秘訣なのである。

つまり リンパマッサージとは

筋肉を柔軟にし、

呼吸を推進し

腸の蠕動運動を促進し
 
血管拍動を健全にする、


ことが本質的なことになる。

こうして

リンパ管内のリンパ液間質液への たくみなマッサージによって

刹那的施術 により むくみは臨場で解決される。


さて 第二段階が むくみ体質の転換にせまる 施術である。


一般的に言って

不快・不調・乱調をもたらす体質の要因を探求すると

通常は 複数の因子が集合し それらが絡み合って

そうした決定的な体質が形成されていくのであり

決して 単独の要因のみで 体質が形成されていくわけではない


むくみ体質も その例にもれず

ほぼ 複合的な要因が集結したとき むくみの病態があらわれるわけである。


その要因として むくみ体質を形成するのは以下のようなものである。
 

 むくみ体質を形成する要因
1  運動不足 
 同じ姿勢で長時間いる
 精神的ストレスを多く抱えている
 栄養の片寄りアンバランス、栄養不足、摂食障害
 5  慢性的な筋肉のコリが強い
 6  睡眠と休息が十分ではない、睡眠障害
 7  血行不良、貧血、高血圧、動脈硬化、静脈不全など 血管の障害
 8  慢性疲労、 疲労が取れにくい
 9  内臓疾患 とくに心臓、肝臓、腎臓
 10  代謝異常 メタボリックシンドローム

 
むくみ体質は 以上の因子が 複合的にあつまり形成される。

このうち

1 〜 4 までは 本人が 日常的な動作・習慣・所作・クセを根本的に見直すことにより

5 〜 10 までは 整体が 受け持ち これを是正改善していく範囲となる。

1 〜 4 までの 本人が行う範囲についても 心配ご無用!

5 〜 10 までが順調に進めば 自然の勢いで

1 〜 4 までの問題を打開する方策が身に着く。

そうしたものである。


体質の改善がうまくいかないのは

5 〜 10 までの諸問題が解決する糸口が見つからという原因が多い。


問題が複層的に山積みしている場合

問題の解決方法は それら複数の問題を一気に解決しようとすると壁にぶつかる。

まず 一つでも 解決の糸口を見出し 風穴をあけて

そこを手掛かりにして

次に進むという段取りが効果的。


当面の現出している むくみを刹那的にしろ解消する所から始める

のも こうした考え方から出発するものであり

当面の問題がひとつ明確に雲霧がさっと消滅するように ふり払らわれれば

気分が爽快になり ふつふつと力がわいてくるのである。

体質の転換には このたぐいの原動力が求められる。


むくみは 現象的には身体の水流の阻害にあたり

むくみ体質とは 水流阻害の病理となる。

身体は 細胞を筆頭に あらゆる器官が たゆまなく どんどん消滅と再生を繰り返し

こうした動的に 流れるようにしつつ 平衡を保って 生命を維持している。

身体水流は それを象徴する 動物としての生命の根幹といえる。

別の言葉でいえば 新陳代謝といってもよい。

こうした

身体水流の根源のひとつが 血管とリンパ管と細胞と間質液の連関作用であり

この4者は 互いに密接な連関のなかで交通し

必死に身体のバランスを保とうとしている訳で

そのバランスの破綻が むくみとなって現れる。


そのバランスの破綻が現れる体質を転換する 始まりは

なによりも 整体のもたらす 愉悦なのである。


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