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2020年5月の整体
胃と腸も筋肉からできている


整体において

胃と腸は きわめて重要な位置を占めており 

胃と腸は 単なる消化管としての役割だけにとどまらず 

身体全体機能の深淵にかかわる隠れた特務を帯びている。


このため 整体施術において 

胃と腸の具合を追求することは 単に消化管としての機能のみならず

施術の全体性のルートからして 胃と腸の様相をみて これを整える事は

整体で打たれる定石のひとつとなる。


胃の状態は 気分・感情・情緒を大きく左右して

自律神経、ホルモン、分泌活動の健全性を決定する。

腸の状態は、脳内活動と密接な関連をしており

生命の維持をつかさどる脳の機能と同類の機能を腸は持っており

このため 腸は もうひとつの脳と呼ばれる。

それら以外にも

左の肩首の調子が悪くても 胃の関連を疑い、

しつこい背部痛は胃を疑う。

慢性化した腰痛は腸を診るのは欠かせなく、強い慢性疲労も腸を疑う。

などなど 胃と腸の波及するところは果てしない。


こうした胃と腸であるが 今月は胃と腸をその構造から記してみたい。

題して 胃と腸も筋肉からできている である。


筋肉もいろいろな種類がある。

その機能によって筋肉の構造がちがう。

その最も代表が骨格筋

身体の関節を動かし身体運動の全体をになういわゆる通常にいう筋肉。

そのほかの筋肉を列挙しよう。

呼吸筋・横隔膜を主とする呼吸のための筋肉。

心筋・心臓を動かす筋肉。

血管筋・血管を構成する筋肉。

内臓筋・主に消化吸収をおこなう臓器の筋肉。


今月は 胃と腸を構成する内臓筋を追求してみよう。


内臓筋血管筋と同様に

平滑筋という収縮と弛緩を繰り返しても疲労しないという

とびぬけてパフォーマンスの高い筋肉組織でできている。

平滑筋でできている代表的な臓器は、





胃と小腸と大腸は 消化管の中でも最も平滑筋が活躍する。

栄養素の消化と吸収は平滑筋の筋肉がひんぱんに収縮と弛緩を繰り返すことで実行される

地味で粘り強いパフォーマンスである。

平滑筋の特徴は,

一気に大きな力を出すのではなく 継続して同類の動きをし続けることで

疲れ知らずの組織である。

これに対して

短時間で大きなパワーを出す必要がある骨格筋は、

横紋筋という組織でできている。

その特徴はパワーを集中的に出せる代わりに疲れやすいことである。


平滑筋その活動の調整は ほとんどが自律神経でコントロールされており

みずからの意思では基本的に動かない。

ただし心理的、精神的な状態は ただちに自律神経に影響されるので

気分が爽快で健全であれば 胃・小腸・大腸も結果的に

爽快で健全を保持される。

ストレスは容易に

胃・小腸・大腸の様相に反映して平滑筋の正常な運動をさまたげる。


胃・小腸・大腸の平滑筋は2種類の運動をおこなう。

ひとつは蠕動運動ぜんどううんどうで これは消化管の流れに従って

胃・小腸・大腸まで収縮と弛緩を繰り返して走行する。

いまひとつは 分節運動で 同一の場所で収縮と弛緩を繰り返す。

この分節運動で食物と消化管から分泌される消化液が混合し攪拌される。

この2つの力学的運動がつまり消化運動である。





もし有毒な物質が食べられ これが胃に侵入すると

胃の中のセンサーがこれを感知して

胃の平滑筋をただちに収縮させて胃の内容物を口から吐き出させる。

これが嘔吐である。

有毒物質が胃を通過してしまい 小腸に達すると

小腸のセンサーがこれを感知して

急速な蠕動運動を始めて有毒物質を肛門から吐き出す。

これが下痢である。

平滑筋はこのような活躍もする。


さて

整体が 骨格筋である横紋筋標的にして数々の刺激を付与して施術することに対して

内臓の平滑筋を標的にした施術を いわゆる内臓整体と呼ぶ。

すでに述べたように 内臓の平滑筋は不随意筋であるため

一見 骨格筋のような反応性が迅速でないと思いがちであるが

さにあらず 内臓の平滑筋は 自律神経で支配されているために

自律神経の反応が即応すれば 胃と腸の内蔵も瞬時で整体施術の刺激で反応する。

このため

胃と腸への整体の基本は その自律神経への関与が中心となる。

つまり 交感神経と副交感神経の作動のメリハリを鮮明にすることによって

自律神経の健全な動きを回復する訳である。

では 具体的には どのように

交感神経と副交感神経の作動のメリハリを鮮明にするのか?


まず 副交感神経を昂進あせる、つまり よく作動するようにする。

これは心身ともにリラックスさせることである。

整体が最も得意とするところである。

これを極限まで高める すると その後

交感神経が それに入れ替わるように昂進しだして

体の奥底から精気がほとばしり出るような状態になり

思いっきり活動したくなる欲求がふつふつとわきあがってくる。

これを繰り返すと

自律神経はみごとに回復してくる。


胃と腸は、

副交感神経が優位にたって昂進すると活発に動き出す。

腸の位置は 非常に触りやすい位置にあるため直接の刺激を行いやすい。

胃はその上部が一部は肋骨によって保護されているために触りにくいが

胃の下部は肋骨からはみ出しているためにここから触手を伸ばすことができる。


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