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2019年3月の整体 
O脚は、必ずただちに治療すべき!


春のなまあたたかい陽気にさそわれて 女性は脚を出すパンツ姿もふえてきて

私の他人の脚が気になる習性が活動する時が来たのである。


そうした中で

私がいつも気になって どうにも追及しないではいられない思いをしてきたのが

日本人のO脚に対する 注意を払わないこと あるいは 無神経の傾向である。





なぜ 日本人は かくも脚のバランスが崩れたラインに無頓着なのか?


これは 日本以外のほとんどの国が

身体における脚のラインに実に細かな配慮をしている事実と比較すると

実に不思議なことである。

なぜなら 脚のラインとは 結局、

 身体全体のバランスに影響して ひいては身体の健全と深く関連し

その上 いうまでもなく身体のスタイルを決定つける土台となるからである。


こうした事情に 見つけやすい解答をさがすとすれば

座る生活に長い間習慣付けられてきた日本の様式に至るのだが

すでに 生活の中で座位時間がかなり短くなってきた戦後の日本において

今だに 脚のラインに対する注目度 ないしは 感度は それほど鋭くない。





大胆な見解を述べるとすれば

日本人 あるいは 日本文化の身体における重要度は ほとんど上半身に集中しており

これに比し 下半身への重要度は かなりの軽視がみられる。

なぜ下半身への軽視がみられるのかは やはり日本文化の特質として

手仕事の重視、細部へのこだわり、歩行や散歩や狩猟の軽視・・

などなどあるが つまりところ空間における構築構想理念の欠如が

ひいては 身体の全体性の構築のバランス感覚の欠如をもたらしてしまい

結果、

頭の中身、顔立ち、手仕事の巧妙さ、等のみに 

身体の重要度が偏ってしまったのではないかと類推する。

という のが私の見解である。


その分析は また 違う場を利用することにして、

今月のテーマは O脚の危険性である。

O脚とは その正面から見た場合 以下の様な状態をいう。

X脚とは 膝下が外反してしまっていることで 半O脚の意味であり

X脚もO脚のひとつとして分類していい。




では

なぜ、O脚は、必ずただちに治療すべき! なのか?

その危険性を 2つの角度から説明しよう。

身体の健全性の破綻

身体の全体の軽快の喪失 

 身体の健全性の破綻


まづ O脚を放置することによって将来 

起こるであろう可能性の高い身体的変化と病態をあげる。かなり多い。

なぜ O脚が このような病態をうみやすいのか?

 膝  変形性膝関節炎
 股関節  変形性股関節症
 足裏  外反母趾
   内反小趾
   足底腱膜炎
   踵骨滑液包炎
 下肢  坐骨神経痛
   浮腫体質
  下肢静脈瘤
 骨盤 仙腸関節炎
 内臓 腸の下垂 
  ポッコリ腹
  胃の不調 
 背部 猫背 
  背中痛
 腰 慢性腰痛
 首 頸椎突出 
  慢性頭痛 


それは 基本的には 下半身全体の荷重アライメントが崩壊して

荷重のかかり方がアンバランスとなり 負荷が分散できず

一定の場所に絶えず 強い負荷が かかってしまい

骨格の変形が起こりやすくなるのである。

また

姿勢が崩れることにより 全身のスタイルが変容して

それが 一定の場所に炎症を起こしやすくなり痛みを誘発することになる。

こうして O脚とは 単に脚の形が Oの形状にとどまらない波及をもたらし

全身の随所に力学的変調をきたし

ついには身体の健全性の破綻に至る。

当然 そうした破綻は 長い時間をかけて醸成され

最初のうちは 痛みなどは現れないため

放置され 結果 骨格の変性がはじまると O脚は回復するのに難儀を極めることになる。


O脚は ほぼ目視で判断ができるが

それを医学的な基準ラインで判断する場合 ミクリッツ線を参考にするとよい。

ミクリッツ線とは、膝にどのように荷重がかかっているかをチェックする下肢のライン。

大腿骨の骨頭の中心点を起点にして 足関節の距骨滑車の中心点を結ぶラインを指す。

膝関節の手術において 膝の正確な位置を決定する際に基準となるラインであるが

O脚やX脚の診断にも応用されるラインである。



ミクリッツ線は もちろん X脚の診断にも利用される。




O脚も 仔細に診断すると その程度や特色は一様ではなく 複雑な様相をていしている。

たとえば

股関節のねじれ、捻転。股関節の変性。

膝のねじれ、捻転。 膝関節の変性。

足関節のねじれ、捻転。足関節の変性。

この3か所の関節のそれぞれの異常の組み合わせが O脚のパターンを決定する。

O脚が このように 股関節、膝関節、足関節の いずれか あるいは 複合的に

すでに健全性を損なわれていることが多く

O脚が長年にわたり続いたあげく この3か所のいずれかが悲鳴を上げだすことが多い。


O脚と上半身の関係でいえば 最も多い症例が

O脚と猫背がセットで現れるという事である。

もちろん 強いO脚でありながら 上半身はきれいな姿勢の方もいるのだが希少である。

なぜなら O脚は、

骨盤の位置を変え、下腹部を突出させ、背中が丸かり、アゴが出る、

ことが力学上 必定であるからである。





こうして O脚は 身体全体の健全を破綻していく。


 
身体の全体の軽快の喪失 



ヒトの進化は 2足で歩行するのに 

最も都合のいいような身体になるように 進化がされてきたのであり

2足で歩行するに 合理的な身体が 最高の効率を発揮できるのである。

こうした観点からみれば

O脚は 2足歩行には不合理な形態となっている。

O脚の状態のまま 歩けば歩くほど疲れがでる ばかりでなく

随所に 痛みが出やすい。

それは 力学的に不都合なスタイルが O脚だからである。

走るに至っては O脚は さらに不利になる。

パワーが無駄に発散されてしまうからである。

ただし O脚も 脚を広げて立っていると 安定感は増すかもしれないが・・


またヴィジュアル的には O脚は下半身が膨れ 重々しい感じとなり

軽快が喪失してしまう。

ヴィジュアルの判断は 当然 個人の感覚の問題であり

なかには 重々しいイメージに惹かれることもあり

それほど深刻ではないだろう。

問題は ヴィジュアルを通り越して

機能にまで影響が及ぶと ことは放置できないのである。

つまり

O脚は 荷重負荷のかかる正しい重心ラインが崩れていることで

筋肉や内臓に余分な負担をしいてしまい

ひいては 血行不良 体液鬱積 代謝不効率 を生じ

体は 事実上 重くなってしまうのである。

O脚は、必ずただちに治療すべき!

理由は まさにここにあるのである。


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