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 腰痛2024最前線


腰痛は
その痛みで苦しむ本人にとっても
それを治療するサイドの治療者にとっても
きわめてやっかいな症状の代表である。



なぜ
腰痛がそれほどに手を焼くことになるのか?
それは腰が本来にもつ機能と力
の不思議な性質にある。
腰の解明されていない謎が多くあるのである。

このため
腰痛の痛みがいったいどこからくるのか?
また腰痛はその原因が
複合的な要素の集積としてでることも多くあり
ひとつの箇所が健全になったからといって
腰痛がすっきりするわけでもない。

こうして
腰痛で苦しむ人も治療する側も同様に
この腰の独自性と特異性がわからないと
腰の治療の進行中に 腰を前にして
立往生し、いきずまってしまうことがある。




今回は
 
このやっかいな腰痛についての最前線を
紹介しその克服の一助としよう!

 
あなたのみを特定する
 
腰痛の痛みの原因の特定が最初の難関である。

とくに腰痛の場合は
痛みの程度によっては動くこと自体が悪化の推進となり
どう患者を動かすか?
どう痛みの中で診察するか?
は細心の注意と配慮とアイデアが必要となる。

まずは
患者の動く姿の特異性を見ておよその検討をつける。
また表情でおよその痛みの程度を判別する。
次に
患者本人の口から状況を説明してもらう。
この時
痛みが激しいと合理的な明快な説明できず
支離滅裂になる事もあるので
質問者は熟練の誘導が必要である。
次に
実際に触診が始まる。
また微妙に動かしながら痛みの出る特色をつかむ。
ほぼこの行程でおよその見当はつくのである。

病院の場合は
ここからレントゲン、MRI、CTなどの画像診断が加わる。
病院においては この段階にて
最終的な腰痛の診断・病名が決定される。
その際
明確な腰痛の診断・病名が告げられないケースも多い。
それが腰痛の非特異的腰痛と呼ばれる。
つまり明確に断定されにくいという意味である。

病院における
腰痛の診断は大きく2つに分類される。

腰痛の分類
 
特異的腰痛 非・特異的腰痛 
原因の特定できる 原因の特定できない腰痛 
MRICTで診断できる  MRICTで診断できない
 具体的腰痛の名称  具体的腰痛の名称


椎間板ヘルニア 

 仙腸関節炎
椎間板変性症 筋・筋膜性腰痛
脊柱管狭窄症  椎間関節症
すべり症 殿皮神経障害
分離症  
腰椎圧迫骨折  下で細かく記す
腰椎側弯症
 




MRICT判断できない腰痛
 
腰痛の原因のありかを
MRIとCT ですべてが特定判別できるわけではない。
むしろ 腰痛のうち
圧倒的にMRIとCT に反映されないケースの方が多いはずである。
つまり
非・特異的腰痛がほとんどなのである。

では MRIとCT に反映されない物は何であろうか?
それは
炎症のみが骨格や骨格筋や筋膜や靭帯におこっていても
MRIとCT に反映されにくい。
それに対して
形状そのものが変形したり断絶したり体積が変容したり
というものがあるとこれが
MRIとCT に反映されるのである。

腰痛が
非・特異的腰痛のMRIとCT に反映されないケースの方が多い
理由は、まさに腰痛の大部分が
骨格や骨格筋や筋膜や靭帯の場所で発症している
炎症であるという事が言える。

では 炎症とは何か?
炎症とは
体内で傷ついた組織を修復しようとする
自己防衛の力の発現であり
この時あらわれる疼痛・腫れ・発熱などの変化を指す。




つの非・特異的腰痛
仙腸関節炎 せんちょうかんせつえん
 
仙腸関節とは
骨盤の中央に存在し上半身と下半身の結節にあり
脊柱の骨格全体をその底辺で受けて
上半身の荷重を中心となって支え仙骨の
両サイドにある左右対称の関節を指す。
上半身全体の運動荷重を下半身に伝達する機能と
同時に 衝撃を吸収する装置の機能を持つ。
安定性を重要視される関節であるために
可動域がわずかに数ミリという
動きの少ない関節である。

仙腸関節炎とは
まさにこの左右にある関節が
炎症をおこし腰痛となる症状を指す。
腰痛のうちの代表的な一つである


仙腸関節炎の最も特徴的な事は
その痛みの中心ポイントを
鮮明に指し示すことができる事である。
また
仙腸関節炎の患者に対して
仙腸関節に刺激のかかる位置をとらせると
痛みが倍加する。
骨盤が開いた状態ですわったり立ったりする姿勢で
痛みは倍加する。

この仙腸関節炎は
その変性の異常が些細な変化であるため
MRICTには反映されにくく
画像診断では判定しにくい腰痛の代表である。

このため
従来より 整体の世界では
仙腸関節炎の診断と治療に独自な視点を持って行い
多くの成果をあげてきた。

仙腸関節炎の画像診断がしにくい要因は
ひとえにその関節が小さく、
関節の動態が微細である事によるが
近年では とくにアメリカの医学界ではなどでは
その確定診断の新しい手法や手術の気運が
ひどく盛んになっている。


仙腸関節炎の整体における診断方法は
まずその痛点の位置である。
仙腸関節炎の特徴的な症状は
上後腸骨棘 PSIS
 を
中心とする痛点の鮮明な特徴である。
また鼠径部の痛みを併発する事がほとんどである。
さらにイスにての坐位姿勢で 痛みが増幅される。
もちろん
腰部椎間板ヘルニアにおいても
座位時における痛みは増幅されるが
その痛点は
仙腸関節炎では相違が明確である。
 
その痛点を術者が

上後腸骨棘 PSISを圧すれば患者は飛び跳ねる。
これが
仙腸関節炎である。
同様に
仙結節靭帯 STL の圧で飛び跳ねれば
仙腸関節炎をうたがう。

仙腸関節が炎症をお起こす原因は
つまり
骨盤内の腸骨の動きと腰椎から仙骨にかかる力の
バランスと方向性が柔軟を失い
最終的に仙腸関節の部位に
過度の負担がかかってしまうという
力学的な要素がまず第一に挙げられるので
整体治療の第一は まず臀部内の筋肉群を柔軟にして
骨盤内の腸骨と仙骨の動きを軽快にする事である。
その為に臀部の筋肉群がまず標的となる。

仙腸関節炎の場合はすべからく
臀部に圧を加えると最初は苦痛にゆがむが
時間とともに つまり
仙腸関節への圧迫と拘縮がとれてこれば
快適になってくる。
ただし
その施術の方法によっては
逆に仙腸関節への負荷を増大させ
恥骨痛などの新たな痛みも誘発させ
最悪の事態となるので注意が必要である。

仙腸関節炎は 多くの場合
保存的療法と徒手療法で改善に向かいやすいが
当然 日常的な行動形態が従前どうり続行されれば
くりかえし発症する反復性のあるものである。
このため
根本治療は身体行動の改善が必要となる。
仙腸関節に負担をかけない人体操作と体型が
求められる。
骨盤と仙骨の力学の基本がある程度理解できると
通常は仙腸関節炎は回避できるのである。

仙腸関節炎が難治化して
手術が必要となったレベルにおいては
現在 新しい仙腸関節固定術式が開発されている。
インプラントなどで仙腸関節を固定化してしまう。



筋・筋膜性腰痛 きん・きんまくせいようつう
 


およその通常の腰痛の多くは
この筋・筋膜性腰痛である。
いわゆる骨格筋と筋膜が炎症をおこし
痛み・不快・鈍重感・可動域制限
となり腰痛を訴える。



骨格筋と筋膜が柔軟性をとりも出せば
ほぼ回復する。が、身体行動のクセが繰り返されれば
慢性的な症状として現れる。




いうまでもなく
MRICTには反映されにくく
画像診断では判定しにくい腰痛の代表である。

腰痛も首痛も肩痛も背中痛も膝痛も
あらゆる部位で
この筋・筋膜性の疼痛は発症する。
この時点では
いまだ骨格や関節内や靭帯などへの影響は少なく
骨格筋と筋膜が回復すれば
軽快になる。。

ただし
こうした
筋・筋膜性腰痛がくりかえされ長年に及べば
次第に骨格や関節内や靭帯は変性され
こうしたところに病巣が形成される。
したがって
筋・筋膜性腰痛の段階で身体改造をすべきである。



筋・筋膜性腰痛を引き起こす
主たる骨格筋肉群は脊柱起立筋いわゆる背筋である。
また 主たる筋膜では胸腰筋膜である。
これらの大きな筋・筋膜に
中小の無数の筋・筋膜が重なり構成されている。

これらの筋・筋膜が
酷使のしすぎ 或いは 使わなすぎ
血行不良による栄養不足、精神的ストレス、
自律神経失調、内臓不調、疲労の蓄積
などなどの複合要因にて腰痛となって現れる。





筋・筋膜の炎症が起こるメカニズムを表にすると・・







筋・筋膜性腰痛は
もちろんその大きな原因が
体にかかる荷重の物理的な要因で
腰を中心とした骨格筋と筋膜の炎症を引き起こすのであるが
最近の腰痛の研究では
心理的要因・精神的要因で
心因性腰痛を引き起こすことが多く指摘されている。


整体の世界では古来より
筋・筋膜性腰痛の発症の心因性要因を
患者ひとりひとりの個人的機序を
さぐることは施術の定石となっている。







椎間関節症 ついかんかんせつしょう
 

椎間関節症とは
背骨を構成する椎間に炎症が発症して周囲を変性していく症状で
とりわけ近年 重要視されるようになった腰痛である。


 
椎間関節症は椎間関節に生まれた
炎症であり
炎症の状況は画像では反映されにくく 

MRICTの画像診断では判定しにくい。

その発症に至る原因は
老化、物理的な圧迫、筋肉硬直による血行不良、
などが考えられ同時に
椎間板の変性、
黄色靭帯の肥厚化
骨棘の形成
などがあらわれる。
ただし
しびれが出るケースは少なく神経の圧迫は訴えにくい。

椎間関節症の患者の特定診断は、
腰を後ろにそらせる時に痛い。
腰をひねる時に痛い。
前かがみになってから元に戻そうとする時に痛い。
痛点の中心は背骨の骨である。
背中をそらせて上半身をひねると痛い。
座位を長くすると痛み出る。
長時間の坐位後の立ち上がり初動時に痛い。
歩行が長いと痛む。
運動が痛くてできない。
などなどの局面で、痛みで行動に制限される。

椎間関節症のイメージ図は以下。
















殿皮神経障害 でんぴしんけいしょうがい
 


腰痛の中でも最近特に研究が進んでいるのが
殿皮神経障害という腰痛である。
MRICTには反映されにくく
画像診断では判定しにくい腰痛である。

いわゆる神経痛のひとつとなる腰痛で
殿皮神経というお尻の表層にある神経が
圧迫や障害を受けて腰痛となる。

殿皮神経は2つあり
上殿皮神経
殿皮神経
である。








上殿皮神経障害は
ズボンのベルトをするあたりの場所に痛み。
殿皮神経障害は
臀部の内側に痛み。

痛みは 
上殿皮神経障害は腸骨上を
殿皮神経障害は仙骨わきを
それぞれ圧すると飛びあがるほど痛く
その痛点での神経が圧迫されて起こる。






意識的な圧痛以外は
腰をねじるひねる、歩行で痛みがでる。



どのような人に発症しやすいかというと
まず
全身の筋肉の硬直が強く
たえず表層の神経群を硬い筋肉が圧迫している人。
また
重心が低い位置にあり
体重の多くが腰にかかりやすい
という身体移動のクセが日常的にある人。
たとえば
慢性的な肩こり・膝痛・足首痛などがあり
片方の腰にたえずアンバランスな荷重がかかっている人。

この殿皮神経障害、
病院によっては手術も選択する所がある。
神経障害がある部位の靭帯や筋膜を切開して
神経の圧迫を解放する神経剥離術ということをおこなう。











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