2016年4月の整体 

2016年4月14日の熊本を襲った地震。
今月は
この地震によって避難されている人を襲うシンドロームである
静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)
について記してみたい。



いわゆるエコノミークラス症候群とも記されて
避難の人が
車の中に長時間寝泊まりしたり 避難所での窮屈な生活を強いられたり
等の状況で まず
特にふくらはぎの疲れむくみ、ダルサ硬直ツルの症状から出発する。
こうした前兆から 血栓に進行するのが
静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう) で
特に ふくらはぎの静脈にあらわれることが多い。
ふくらはぎの
腓腹筋 ひふくきん のその奥にあるヒラメ筋にある静脈で
ヒラメ静脈という。
ヒラメ静脈の特徴は 袋状になっていることで
血行が悪くなると 血栓ができやすい。



したがって 地震被災の救助班は
被災者のふくらはぎに注意を払うことが多いのである。



それは 運動不足と強いストレスにより
静脈に 血栓 けっせん(凝固した血のかたまり)が生じ、
この血栓の全部または一部が千切れ、血流に乗って下大静脈→心臓を通りぬけ、
次に 肺に流れつき、肺動脈が詰まると、肺塞栓症となる。
肺動脈が詰まるとその先の肺胞には血液が流れず、ガス交換ができなくなる。
その結果、呼吸困難をきたす。
また全身の血液循環に支障をきたす。
軽度であれば胸やけや発熱程度で治まるが、最悪の場合は死に至る。。

簡単に一言でいえば
血行不良で 血液が詰まり 内臓が機能しなくなる。

地震のような災難に遭遇した場合 とくに高い割合で頻出する
それは 心的ストレスが強烈なため
血液循環の不良にさらに拍車がかかることによる。

もともと
エコノミークラス症候群の名称由来は
長時間のフライトで 特にエコノミークラスの狭い座席に窮屈な状況で
身体を固定し運動の不足、
さらにフライト内の空気乾燥の上昇で 体内水分の不足、
もともとの身体の疲労度、
などの条件が重なり
発症しやすい所から命名されたが

当然
日常生活の中でも 同じような条件があれば
同じような症状は出る。
日頃から ふくらはぎのしつこいダルサや抜けない疲れを訴える人で
フライトならずとも
長時間にわたり すわりっぱなしとか 立ちっぱなしとか
ゴロゴロ寝てばかりいて
水分補給や栄養補給をなおざりにすると
静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)
つまりエコノミークラス症候群の発症に至ることもある。



いずれにしろ ポイントは ふくらはぎである。
ふくらはぎの筋肉群を柔軟にすることが
これらの初期症状 或いは 予防の第一処置となる。