顎関節症 がくかんせつしょう


突然 物が噛めず 食事がとれなくなったり

しゃべるのが難儀になったり

耳のまわりを押すと 飛び上がる程痛い

等の症状で

さらに 慢性的に肩こりと首のコリがある人は

顎関節症 がくかんせつしょう を疑う。



さらに

カックン, ガリガリ,シャリシャリ、グニュ という音が

そしゃくするときや、大きく口を開いた時 すれば

顎関節症 がくかんせつしょう と断定する。


歯の治療をしている人とか

口腔内に障害が出ている人は

この罹病率は高い。


また 圧倒的に女性に出やすいのが特徴である。

もちろん男性もでるが 男女比率の差は明瞭。


あくびをして そのまま口が閉じなくなってしまったり

とか

寿司屋でにぎりを食べようとしたら激痛となり 

寿司を食べれず そのまま退出した とかは

笑い事ではない



では 顎関節を細かく見て行こう。

まず

その痛みのありかで大きく4つに分けられる

当然 痛みのありかは複合的に存在することが多い。

 1  筋肉群 筋肉群・筋膜の硬直 咀嚼筋、咬筋、側頭筋 
 2  靭帯 顎関節を結節する
3つの靭帯
外側靭帯
蝶下顎靭帯
茎突下顎靭帯
 3  関節包 関節を包む繊維膜 内側は滑膜
 4  関節円板 関節包の中にある
緩衝材
下顎の蝶番運動につれて動く


1番目は

顎関節をとりまく筋肉群と筋膜の過度な緊張を続けていると

やがて強い硬直となり それがゆるまないと

ついには

その筋肉そのもの 或いは その周囲の神経を刺激して

痛みが出る。

その筋肉群は 咀嚼時に懸命に働くもので

咬筋 こうきん

側頭筋 
そくとうきん

  内側翼突筋 
ないそくよくとつきん

  外側翼突筋 がいそくよくとつきん

以上の4つの筋肉である。

では なぜこれらの筋肉群が強い硬直にいたるのであろうか?

もちろん通常の咀嚼を繰り返すだけではそこまで至らない。

咀嚼筋は少々の酷使では疲労が出ない剛性の高いのが普通であり

一日に何千回と咀嚼をくりかえしてもへこたれない。


では どういう状況下で強い硬直となるのか?

それは

これらの筋肉群の さらにその周囲を取り巻く別なる筋肉群が硬直になると

とたんに これら咀嚼筋群が 過度な負担をしいられることになる。

別なる筋肉群とは 何か? それは つまり首・肩のコリを誘発する筋肉群である。

そうした首・肩のコリを誘発する筋肉群が硬直することで

咬筋 こうきん

側頭筋 
そくとうきん

  内側翼突筋 
ないそくよくとつきん

  外側翼突筋 がいそくよくとつきん

が 次の硬直を生む。

首・肩が本来柔軟であれば この4つの筋肉群も柔軟を保ちやすい。

顎関節症の患者の十中八九が 強い首・肩コリで絶えず難渋しているのは、

こうした理由による。


さらに 今ひとつは

歯の食いしばり や 歯ぎしりである

これらは 思ってもいないほど強烈な圧力が

咀嚼筋群や首・肩の筋肉群にふりかかるのである。

さらに 今ひとつは

咀嚼時の片側ばかりで咀嚼する習癖である。

本来顎関節は左右にあり これが左右バランスよく同時に動くと 

筋肉群へのその負荷は分散され疲労が蓄積しない。

ところが 片側に集中すると 当然 総負荷は増大する。

以上の様な原因が咀嚼筋群に硬直をもたらす。




下図は

下顎骨の動きによって 使われる筋肉群の説明である




2番目

顎関節を結節する 3つの靭帯が下図のようにあるが

外側靭帯、蝶下顎靭帯、茎突下顎靭帯

これらの炎症をおこすと 顎関節症が出る。



 3番目は

顎関節そのものは下図のように

関節包という繊維膜でできた袋で取り巻かれており

内側は滑膜になっており

これが炎症を起こす



4番目は

関節円板という 緩衝材の役割をする

コラーゲンである膠原線維がぎっしりつまった組織があり

この円板が

下顎窩と下顎頭が直接こすりあわないように介在している。

この円板は 下関節が蝶番運動すると

それにつれて移動し

顎関節が なめらかに動く中心部となっている。

ところが

この円板が

顎関節への多大な負荷や酷使によって

動きが止まったり 位置がずれたりした時に

痛みが誘発され 顎関節の動きをとめてしまう


こうした 4か所が 顎関節症のありかである。

顎関節症が この4か所の複合要因によっておこるので

整体は その4か所のどこに問題があるのかをさぐり

整体施術をおこなう。

ところが 問題は

実際に顎関節の症状がでているのは この4つの現場であるが

この4つの現場に症状を引き起こす別の根本原因がある事が多い。

それが 顎関節をとりまく 肩首の慢性的な強いコリである。

こうした 強いコリが顎関節の負荷と酷使を増大拡充させ

顎関節症を 根治できない要因としている。

こうした場合

整体は 広域なエリアをすべて標的として施術をおこなう。

こうして はじめて顎関節症が根治できるのである。