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| 深部リンパの整体ドレナージュ | ||
深部リンパの 整体的ドレナージュの技法について 
リンパが一体どういうものかを 明確に説明できる人は意外に少ない。  それはリンパの役割と機能自体が 静脈の陰に隠れて補助的な位置にあり 主役の華々しさと力強さが弱い性格からくる 隠花性をおびた宿命によるのかもしれない。 実際 リンパ系は 血管系にとってのバイパスの様な位置となっている。 具体的には血管系の静脈の補助ルートとして 老廃物の運送をおこなっている。 華々しさが乏しいまさに隠花植物の様な存在なのだ。 したがって 浅部リンパと深部リンパのちがいという事になると さらに両者の違いに戸惑うかも知れない。 リンパはその流通位置が浅部と深部に分かれる。 整体ドレナージュとは このうち深部を流れる深部リンパを主の標的とし リンパ液の全身・循環を促進し老廃物の排出能力を 飛躍的に高めることを狙いとする。 これが《深部リンパの整体ドレナージュ》である。 では、 浅部リンパと深部リンパとは何がちがうのか？ 下図を見てみよう！  浅部リンパは、 毛細リンパ管と輸送リンパ管で形成される。 皮膚の真皮層にある毛細リンパ管が 周囲に存在する体液を吸収しリンパ管に引き入れ 最初のリンパ液を集める。 そのリンパ液は輸送リンパ管に導入され全身をめぐる。 これが浅部リンパ系をなす。 この浅部リンパ系のリンパ液が 穿孔リンパ管を通じて 深部リンパ管に導入される。 これが深部リンパ系をなして 体の随所に存在するリンパ節に運ばれ、 最終的に静脈に合流する。 深部リンパの整体ドレナージュは まさに 筋膜の内部にある骨格筋肉群の中にある 静脈と動脈に伴走行する深部リンパ系を ねらって施術をおこなう. このように、深部リンパと浅部リンパとは 位置と周囲組織がまったく違うため そのアプローチも相違する。 まず浅部リンパ系の特色から記し、 後に 深部リンパ系の特色を記し、 深部リンパ系へのアプローチの理論的根拠を 展開していこう。 リンパのスタートは、その起点があいまいで 未分化状態ではっきりせず 半閉鎖的な循環という特色がある 浅部リンパの毛細リンパ管が周囲にある体液を 毛細リンパ管の表層にあるフィラメントが開閉して それを取り込むことから始まる。 こうした 毛細リンパ管の起点における状態が 半開放的、半閉鎖的な状態という表現が適する。 まるで 海に注ぎ込む小川が 浜辺で泥沼化しているような 未分化状態でリンパは始まるのである。 こうした浅部リンパ系の特色は その変幻自在な柔軟性にあり 浅部リンパの道筋や走行や分布は、 その日常的な動作や活動の習慣性によって決定される。 強い可変性、フレキシビリティの高さ、 が浅部リンパの特徴となるのである。 浅部リンパをねらった施術が ソフトな加重を求められるのはここにある。 浅部リンパ系では、毛細リンパ管で体液を吸収した後 輸送リンパ管によって浅部を走行する。 同時に穿孔リンパ管によって深部リンパ管に運ばれる。 深部リンパは、 骨格筋に囲まれた中に存在するため ある程度の圧力をかけて 骨格筋と共に深部リンパに影響を与えないと 効果が出ない。 このため 深部リンパへは 浅部リンパをねらった施術法は異なる圧迫法が必要となる。 それは 深部リンパ管を滑る様、流す様、連続性を保持し施術する。 点から線、線から面、の連続性の施術である。 深部リンパには そのライン上に各地点にリンパ節があるので リンパ節から次のリンパ節のひと区間を連続して施術する。 また 深部リンパ管には 逆流しないように弁が存在するので ひとつひとつの弁を解放して進行し 次のリンパ節まで運び込むイメージで進める。
リンパの理解するには 動脈と静脈と毛細血管とリンパの ４者の相互関係から始まる。 下図がその相関図である  心臓から出た動脈は、 酸素と栄養素とホルモンと免疫系物質を たっぷり含み 体中の細胞にこれらを運ぶ。 動脈の末端には 毛細血管があり この毛細血管の透過性を利用して 毛細血管内のこれら物質が 間質液つまり体液となり滲みだされる。 この間質液（つまり体液）が 各細胞の細胞膜を透過して 細胞内部に侵入するのである. こうして 体中の細胞は 酸素と栄養素とホルモンと免疫系物質を 受け取る。 その後 各細胞が排出する老廃物と二酸化炭素が やはり間質液を介して 毛細血管に吸い込まれていく。 その後これらは、静脈に入りその後、 腎臓や肝臓などの内蔵で 老廃物や毒性物質などを処理して 最後にまた心臓にもどる。 こうして 動脈と静脈の 心臓を起点とした循環が完成する。 では リンパはこの循環の中で どのような役割を果たしているのか？ それは 間質液のすべてが戻るのでなく、 静脈にもどるものと リンパ管に侵入するものに分かれる。 つまり 動脈からやってきた血液は その役目を終えると こんどは 間質液が帰る先は 静脈とリンパ管の2つに分かれるのである。 そして リンパ管に入ったものはリンパ液となり 途中 リンパ節、脾臓を 通過し浄化されつつ 最後は静脈に合流し リンパの使命を終了する。 つまりリンパは、 静脈のバイパスの役割を しつつその任務が終了すると 最後は静脈にもどる。 なぜこうしたバイパスが必要か？ そこのリンパの存在意義があるのである。 ではリンパはどんな役割をしているのか？ まず リンパは免疫反応の中核をになう。 リンパの中にあるリンパ球は 免疫細胞であり 胸腺で自己と非自己を学習し リンパ管に入ってきた 細菌、ウイルス、毒性物質と戦う。 特にリンパ節には リンパ球、マクロファージ等の 免疫細胞が集積し これらとの戦いの主戦場となる。 このため こうした外的との戦いが昂じると リンパ節は腫れる。 扁桃腺、顎関節腺、股関節腺などが 腫れるのこうした理由による。 異彩を放つリンパの特徴のひとつが 腸で吸収された脂肪分は 腸のリンパ管に取り込まれ その後に静脈に運ばれる。 リンパは静脈のバイパスとして 静脈な扱いにくい 比較的サイズの大きな物質、 つまり 細菌、ウイルス、毒性物質などであるが これらをいったんリンパに引き入れ 静脈の負担がかからないような形にして 静脈に流入させる。 また 間質液の総量と 静脈に引き入れる間質液の調整を行い 静脈内の恒常性を保つように リンパが機能している。 リンパは静脈に比べ その外膜は薄く、透過性が高いため 静脈より自在に動ける機動力があり 調整力にすぐれる。 その走行速度も 静脈と比べるとかなり緩慢であり そのスピードも一定ではなく 状況に応じて 速度が変化されることも分かってきた。 それがリンパの 融通無碍な活躍ができる素地ともなる。 ただここで問題になるのは、 静脈とリンパ系は それぞれ別のネットワークを形成して 独自な機能を発揮しつつ 最後は合流するというシステムを 維持しているが では、 リンパ系への流れと 静脈への流れへの 分配を決定するメカニズムが どのようになされるか？ という事である。 まず 静脈に流入する血液量と リンパ系に流れる体液量は どのくらいの量的比率があるかというと おおざっぱに言えば ９０:１０ で 静脈流入量:リンパ系流入量 となる。 このように 圧倒的に静脈への流入量が多い。 量的に言えば 静脈に対する調整的な位置付けが リンパ系の位置となる。 |
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