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2019年2月の整体
花粉症の怪, アジュバント作用
 

今年も 花粉症の季節が到来、

整体に来院する人も 花粉症で苦しむシーンが繰り返される。


もちろん 鼻づまりや 鼻閉塞や 流涙は、整体施術で即時に軽減するが

花粉症が発症しない身体に根本的に改造するには、いろいろな手法があるものの 

いずれも時間がかかり 小手先のやり方では歯が立たない。


それというのも 花粉症のようなアレルギィ疾患は 

アレルゲンの感作された状態の身体に対して 再度アレルゲンが身体に侵入すると、

すでに形成された抗体に結合し 白血球がヒスタミンなどのケミカル物質を放出することで

血管拡張、粘膜の腫れ、かゆみ、鼻水流水 等が起こる。


つまり 花粉症のようなアレルギィ疾患は,

アレルゲン → 抗体 → 白血球 → ケミカル物質 → 症状

という身体が覚えこんだアレルゲンに対する反応システムの中で

白血球がケミカル物質を放出ポイントで これが分泌しない体質にして

症状が出ないようにすることが必要で

身体改造でこれを行うには 体質を入れ替える時間がかかるのである。


医薬の分野では すでに免疫反応過程において 免疫を阻害して

花粉症の症状が出ないようにする研究がどんどん進んでいる。

具体的には

花粉の成分
アレルゲンを あえて人体に少量ずつじょじょに投与して

花粉の成分に身体を慣れさせ 実際の花粉が身体に進入しても

これに反応しない身体にしていくという方法である。

鳥居薬品が開発した『シダキュア』が その薬剤のひとつ、これは錠剤である。

このほか

アレルゲンのエキスを少しずつ投与していき、アレルギーを起こしにくい体質にする治療法が

「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」である。

3年〜5年という長期間の投与が必要となる。


こうした 花粉症対策に対して 身体防御の方策とともに

花粉症の花粉そのもの飛翔についての社会的問題の考察をぜひ進めて

身体改造の推進の一助としなければならない。


以前から 実証されてきた花粉症の怪として

スギの花粉が圧倒的に多い山里や田舎で 花粉症患者比率が低く、

スギの花粉が比較的に少ない都会で 花粉症患者比率が高い、

という現象がある。

事実 これを裏付ける症例は 事欠かない。

街で花粉症に苦しむ患者が スギがのたっぷりある野山にいくと

とたんに 花粉症の症状が軽快になるというもの。

また

スギの多い山間部に棲む人の 花粉症有病率が低い。

これが 花粉症の怪 といわれる。

つまり

花粉症の発症の根本原因が 花粉のみがアレルゲンとしてある訳では無い。

ということが言えるわけで。

花粉以外に 花粉症を引き起こす要因がある という事である。

花粉以外に アレルギー症状を促進させる 違う物質がある可能性があり

こうした物質をアジュバンド物質と呼ぶ。

そうして アジュバンド物質がおよぼす作用を アジュバンド作用と称する。

このアジュバンド作用を生む物質が 

自動車排気ガス と PM2.5に代表される粒子状物質 という疑いが根強く持たれている。

これらの物質が 山から都会へと吹きわたるスギ花粉に付着して

アジュバン物質として体内に取り込まれ

アジュバンド作用によって 花粉症状がよりひどくなるというメカニズム。


そもそも スギ花粉粒は 非常に強固な細胞膜にかこまれている。

しかし 自動車排気ガスやPM2.5との接触により この細胞膜に亀裂や破綻が生じる。

すると そこから水分を吸収して 内部の細胞が膨張して

内部から破裂するに至る。

この破裂により スギ花粉内部のアレルゲン物質が勢いよく放出される。

つまり

同じスギ花粉でも このようにアジュバンド作用によって よりアレルゲンが飛散される。


たとえば 都市部では 雨が降った後の晴れた日に アレルゲンの割合が大きくなる。

これは 雨の水分が アレルゲンの粒子を より細かいものにして

その結果 アレルゲン溶出挙動が さらに活発になる事からくる。


その上 都会では 大気の汚染により 降雨中のイオン濃度が

雨の水分と大気汚染物質が混合して より高くなる。

このため 花粉のアレルゲンは さらに溶出率が高まる。


こうして

スギ花粉アレルゲンは 大気汚染物質と反応して タンパク質の変性を起こし

それを身体に取り入れた都会人は 大気汚染の少ない都会からはなれた地域に居る人々と比べ

格段に 花粉症が悪化することになる。


こうした作用が アジュバンド作用である。


もともと アジュバンドとは、

ワクチンと一緒に投与して、

その効果(免疫原性)を高めるために使用される物質のことを指す。

あくまでもワクチンの効き目を高めるためのものなので、

アジュバントだけを投与してもワクチン効果は得られない。

抗原の一部の成分を精製して接種するワクチンは、

一般的に効き目が弱いのでアジュバントの添加が必要となる。

つまり アジュバントには、ワクチンの効き目を飛躍的に高める働きがある。


その後 アジュバントの言葉の利用が拡大して

今では、アレルギー症状の促進を進める作用として使われるようになった。


花粉症の怪は、

このようにしてジョジョに明らかになってきたのであるが

そうなると 当然 次のステップとして 花粉症を少しでも回避するには

まず 自動車排気ガスやPM2.5の少ない 田舎や山里や森林におもむくという事になる。


昔より

春の初めに 温泉湯治、山菜摘み、春の遠足 など恒例であり

それらの慣習は 春の身体不調を乗り切る手立てのひとつとしていた。

現代において それらを復活、励行し

花粉のたっぷりある 温泉湯治、山菜摘み、春の遠足が

この時代、 花粉症からの脱却のひとつの有効な処方箋となる。


なぜかというと

こうした 春の遊びや湯治が 先に紹介した『皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」と、

共通の原理が働いているからで

つまり

花粉の成分アレルゲンを あえて人体に少量ずつじょじょに投与して

花粉の成分に身体を慣れさせ 実際の花粉が身体に進入しても

これに反応しない身体にしていくという方法


なのである。

温泉湯治、山菜摘み、春の遠足 等のエリアは

花粉が大量に舞い散っているとしても

自動車排気ガスやPM2.5等の大気汚染は少なく 結果、

アジュバンド作用は きわめて少なく 結果 花粉症はでにくいいまま

アレルギーを起こしにくい体質 に変貌していくというメカニズムである。


実際 こうした考え方で 整体施術に来訪される 多くの花粉症患者に

このやり方を 実行していただいており その実効性は きわめて高いのである。


では 整体は こうした手法に対して どのような位置づけで作用しているのか?

それは 整体によって、

温泉湯治、山菜摘み、春の遠足に積極的に行ける体と心を立て直す 事にある。

往往 整体に来られる方の 心身は、

そうした手段をとる余裕がなく 一歩踏み込めない実情となっている。

整体は こうした局面を解決して 心身共に爽快にして

温泉湯治、山菜摘み、春の遠足に 一歩近づける状態にしていく。

こうして 施術が終了して 院の門を出る時には

山野や山里へのトリップの計画が渦巻くようになっている、それが整体の役割である。


 
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