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慢性腰痛を整体する


いわゆる腰痛もち という腰痛が持病となってしまった人へ

そうした 慢性腰痛を整体はどういう視点でおこなうのか

つぶさに紹介しよう

この稿の対象はあくまで慢性の腰痛なので

急性のぎっくり腰の整体を知りたい場合は

このホームページのトップページにある 別稿の

結局ぎっくり腰とは何?

を参考されたい。





慢性腰痛に苦しむ人は

一度は病院へいって診断をあおいだ経験があるに違いない

そんな時 病名として次のようなものを告げられたかもしれない


腰痛の病名
 椎間板ヘルニア  ついかんばんへるにあ
 すべり症  すべりしょう
 分離症  ぶんりしょう
 脊柱管狭窄症  せきちゅうかんきょうさくしょう
 坐骨神経痛  ざこつしんけいつう
 筋筋膜性疼痛症候群  きんきんまくせいとうつうしょうこうぐん
 繊維筋痛症  せんいきんつうしょう
 変形性腰椎関節症  へんけいせいようついかんせつしょう
 梨状筋症候群  りじょうきんしょうこうぐん
10  仙腸関節不安定症  せんちょうかんせつふあんていしょう


だが 病名が断定されない人も多い。

なぜなら 腰痛の多くは はっきりと断定されることが少ないからである。


特定不明の腰痛


慢性腰痛の多くは、

原因特定が断定できにくい。

このため

慢性腰痛が

難治性の高い疾患となる。





断定されなくても 痛みは依然残る。

また

たとえ 断定されたとしても 少しはすっきりするが

その治療法が明確に指示されにくいことも多い。

このため 腰痛をもちながら 途方に暮れることも 多いのである

もちろん

手術しかない選択を迫られるほど重篤な場合は

術後の回復の後

どう腰痛が改善されるのか待たなければならないが

できたら 手術をせずに なんとか腰痛から逃れられる方策がないのか?


こうして

慢性腰痛に苦しむ人に対して 整体の対象は

軽微な腰痛の程度から 手術をすすめられて迷っている人まで

すべてをカバーして 広汎なエリアとなる。

もちろん

 上記の列挙した病名で診断を病院で受けた人も整体の対象となる。

なぜなら

たとえ病名が医師から断定されたとしても

慢性腰痛の原因は多岐にわたった複合要因から発症する場合が多く

多角度から検討した方がより的確に病根メカニズムを

解明できることが多いからである。

たとえば

腰痛の原因は、

骨格、筋肉、靭帯、という身体構造が力学的な変性変形によるもの

血行、内臓、ホルモンバランス、という内在的な要因、

心身の不安定、精神的ストレス、脳内疾患、神経疾患などの要因、

これらの諸要素に加え

日常的な姿勢パターン、動作挙措の不健全、肥満、筋肉量不足 などなど

のカラダのクセなどの長年にわたるカラダの個性に起因することも多く

これらの多彩な要因が複合噴出して 腰痛みが出ることも多い。

まぜ腰が こうした受難を受けるかというと

腰がつまりは解剖学的に痛みが出やすい構造的位置にあるからである。


こうした理由で 腰痛の原因特定が難度が高く

腰痛は複雑系疾患の代表と言える。


であるので 慢性腰痛の取り組みは

まさに 体と心、心身を全方位的に見直し 

腰痛のよって来る由来を探索するという視点が必要である。


慢性腰痛に対して 整体のはじまりは

他の疾患同様に 問診からはじまる。

整体の問診の特徴的なのは

問診しつつ 触診に移行し、 触診しつつ 治療に導入し

問診と触診と治療施術が 混然としながら推移していく というところにある

こうして 最終的に施術の方針の確定に到達する


すべての慢性腰痛に同様な効果をもたらす奇跡的な一手

というものがあるのではなく

個々の慢性腰痛にもっとも適合した手法があるのであって

ひとりひとりの慢性腰痛に もっとも見合ったやり方を毎度

さぐりだし見出していくのが 腰痛を治療する実情である

さらに腰痛の特徴的なことは

痛みの実際のありかと

腰痛の根本原因つまり病根のありかとは

かならずしも一致しないことも多い

つまり

痛みが出ている現場と

痛みが出る原因となる部位とは相違するのである


こうしたことは

体のしくみをしらないと 面くらってしまうことだが

もちろん 腰痛にかぎらず

ヒトの体の生理反応はこうしたことが多い。

とくに 腰の場合 2足直立歩行が可能になったことにより

身体全体の力学的な動力波及の構造上

腰に荷重が強くかかる仕組みとなったことのため

腰以外の部位に病根がある場合 腰に痛みが集中するのである。

このような場合 腰をいくら追求しても

腰痛はおさまらないのである。


たとえば

よくある 腰の椎間板ヘルニア である

椎間板ヘルニアとは 通常以下のように説明される

まず脊椎を側面から見た下図を見てみよう

ブルーの椎間板が飛び出し その膨張が神経根を圧迫し痛みの出現となる

この圧迫により痛みがでることを 機械的圧迫疼痛という



さらに

 ここで 椎間板ヘルニアによる痛みの要因が いまひとつあるのである 

それは 化学的因子といい 

椎間板の変容にともない椎間板の中から湧出するケミカル物質 

つまり化学的物質が神経を刺激し それが痛みをだすという説である

その化学物質のひとつが サイトカインであり

サイトカインの内でも TNFアルファ という物質で

これが神経の炎症を引き起こし 腰の痛みとしてあらわれる

それを椎間板ヘルニアの化学的因子疼痛という

つまり 椎間板ヘルニアは 

機械的圧迫疼痛と化学的因子疼痛の2つの要因で痛みが出現する

よって

機械的圧迫がとれたとしても 化学的因子が残存すれば 

痛みはひきにくいであろうし

機械的圧迫が強くても 化学的因子が弱ければ 痛みがでないこともある

また

なぜ ヘルニアになるかというと その原因の多くは

椎間板を圧迫して 外に飛び出させてしまう外圧要因が多い。

その外圧要因として一番多いのが 

骨格筋群の強い硬直、脊柱まわりの靭帯の損傷、などにより

脊柱に降りかかる外圧を緩衝できる能力がなくなってしまい

椎間板を直撃するのである。

このため ヘルニアがいったん回復したとしても

骨格筋群の強い硬直、や 脊柱まわりの靭帯の損傷、の健全性が

戻っていなければ ふたたび ヘルニアになりやすい。


さらに

ヘルニアが 元のサヤにおさまり 完全回復しても

腰痛が いっこうに消滅しないことも多く

こうした場合

腰痛の原因が ヘルニアではなく他にもあるということも多分にあり

これらの 腰痛の様態により

病院の撮影映像の判断だけで 椎間板ヘルニアと痛みとの相関を言い尽くせれない

要因の一つとなっている

ひどい椎間板ヘルニアの状態でも 痛みが出ない人はいっぱいいるし

ヘルニアを手術で修復しても いっこうに腰が良くならない例はたしかに多い



例をあげれば ゴルフのスーパースター タイガーウッズは

2014年3月に アメリカのユタ州で椎間板ヘルニアの手術を行い

腰痛からの決別をきして 2015年2月に復帰試合に臨んだが

結局プレー中に腰痛で棄権、ほどなく休養宣言となった

つまり手術は成功をみなかったのである

もちろん このケースだけで

椎間板ヘルニアの本質を断定することは性急であるが

椎間板ヘルニアとは こうしたことが多い

それは

椎間板ヘルニアとはあくまで腰痛の結果であって

腰痛の原因でない ことを物語っている

こうした場合

椎間板ヘルニアにおちいる原因を特定し その根絶をはからなければ

ヘルニアをなおしたからといって

腰痛は軽快にならない

つまり

ヘルニアをもとにもどすことより

ヘルニアになる原因を追究することに重点をおかなければならないのである


こうした 慢性腰痛の特性をまえがきとして

腰痛の原因の特定の手法と 施術の実際にはいっていこう

まず

どのような角度と視点で腰痛の原因を特定するのか

その慢性腰痛を解析する要素をまとめてみよう

以下の 11の項目である

 1  痛みの種類
 2  痛みの部位
 3  腰以外の部位の症状があるか
 4  痛みの出る時
 5  痛みのありかの現場
 6  いつごろから発症したか
 7  日常動作と身体所作の習慣
 8  内臓に疾患があるか
 9  過去の運動歴
 10  しびれがあるか
11  腰がぬけるような感覚

 1   痛みの種類

痛みのあらわれかたは 腰痛の場合、多彩である
それが すなわち 腰痛の原因の、複雑性を物語る といってよい
また それは そもそもが 腰痛の原因の複合性と複雑性をしめしている
どういう痛みなのか? その仔細をききだすのは ひとえに 痛みのあらわれかたで
慢性腰痛の 原因のありかを推察するためにほかならない

 


どんな痛みなのか? 患者が それを的確に表現できれば 原因の所在に一歩 近づける。
もちろん なかには 痛みの表現に四苦八苦する場面もある
それは 痛みそのもの複雑性ということもかんがえられるが
いまひとつ こういうことも考えられる
それは 永年にわたりわずらってきた 患者の痛みへの対抗の歴史というものにも起因し
腰痛への苦悩が 明快な表現をできなくしてしまう ということもあるのである
これは 慢性腰痛をもつ人の特徴的な心理であり
こんな時は
どのような痛みかを説明する その表現の背後にある状況を 問診する側は注意深く斟酌しなければならない

鈍痛
激痛
強い痛み 
微弱な痛み 
重い痛みが腰全体をおおう感じ 
電気的な痛み 
奥深いところでうずく痛み 
表面にひろがるの痛み 
ポイントの痛み 
広がる痛み
キリでもまれるような痛み 
ハンマーでたたかれるような痛み 
ひきさかれる痛み 
ピリピリする痛み 
ジワリとくる痛み


 2   腰の痛みの部位
 
痛みの場所を特定するのは それほどむつかしくない
患者自身が ほぼ正確に示すことができるからである

   

ただし
痛みが広域にわたる場合
痛みのでるところが 日ごと変化するような場合
あいまいになってしまうことがある
もちろん この あいまいそのものが特徴とする腰痛の種類もあるので 
あいまいにしか表現できない慢性腰痛も それがひとつの慢性腰痛のタイプなのである

慢性腰痛の痛みの部位は
およそ右図の4か所に大きく分類される
厳密にいえば 
背部とでん部は腰ではないが 
腰痛の関連する部位として密接な要因であるので
これらの痛みも 腰痛治療の一環とみなす

痛みは これらの部位の一か所の場合
また 何か所にまたいで出る場合と様々である
さらに 各部位の痛みの出方に原則性がなく
ランダムに 突発的出る場合 などもある


これらの部位をさらに詳しくみると下図になる
 
右図は骨格を旨とした解剖図であり
これに準じて説明すると

腰痛における分類として

背部とは 胸椎第7番から12番まで  
オレンジ色が胸椎である

腰部は腰椎1番から5番まで
ピンク色が腰椎である

ブルー色が仙骨で これと
その両側の
蝶々の羽根のような2つの腸骨の合計が
骨盤である

骨盤を取り巻く 筋肉群がでん部であり
右図では位置のみ示した

痛みの場所は さらにこれから細分化され 特定できれば より痛み発症するありかにたどりつける
ここで注意しなければならないのは
痛みのありかは あくまでも痛みの出ている現場であって
これが必ずしも 痛みの原因となるポイントなのかどうかは 断定できないことである
つまり
痛みの原因の箇所と 痛みを感じる場所とは ちがうことがあるということである
もちろん これが同一の場合もある

とくに 痛みの原因が筋肉にある場合が 痛みの原因と痛みを感じる場所との乖離がよくある
これは 筋肉が痛みの波及を本来もっている構造から由来するものであり
また 筋肉が機械的負荷を随所にもたらす靭帯構造となっているからである

さらに 痛みは本来 最終的には脳が痛いと感じるのであり
痛みを出す現場と痛みを認知する場所が 別であるという人体生理が
痛みを複雑なものにしている

また 腰とは違う部位を刺激して 腰に痛みが出るケースも多く
これらの 痛みの出方も 原因の特定に重要な決め手となるので 重要な触診のひとつである
とくに 内臓の機能低下や疾患に原因のひとつがある場合は
内臓への刺激が 痛みを増大増幅することがよくあ


 3   腰以外の部位の症状があるか

腰が異常をきたし 他の部位の痛みやしびれや鈍重感を引き出すことはよくあり
それは 背部 脇腹 股関節 でん部 尾骨 恥骨 大腿 下腿 足首 足甲 など 広域にわたる放射的痛みや 点在する痛み 等として現れる
それが 腰が根源なのかは まず腰部位に痛みがあることが前提条件としてある
たとえば 下図群のレッドゾーンを参考としてほしい  腰に病巣があることにより他の部位へ波及するケースである

 1  2  3  4  5
         

もちろん 上半身にも波及する。 下図群である

 6  7  8  9  10
          

こうした 他の部位への波及の有無が 腰痛の原因を決定する大きな要素となる

たとえば 代表的な腰疾患の痛みの広がり分布図を示してみよう 下図の赤ゾーンが痛みやしびれが出るエリアである
   
1 椎間板変性症      椎間板の変形が原因
2 仙腸関節炎       仙腸関節の炎症が原因
3 椎間関節炎       椎間板にある椎間関節の炎症が原因
4 椎間板へルニアL5  腰椎の5番の椎間板ヘルニアによる原因
5 椎間板へルニアS1  第1仙椎間の椎間板ヘルニアによる原因
 
      1      2       3       4      5
   


 4   痛みの出る時

どういう時に痛みがでるのか? ほぼ 痛みの出る時は 次のようなパターンに集約される

  1
 
歩くとき 
平地を歩くとき
階段を登る時
階段を降りる時
速度が速いと出る
速度が遅いと出る
   2
始動時 
動き始めがピーク 
動き始めしばらくしてピーク
動き出すとともに軽減 
動きだすとともに増大する
   3
起床時
 起床直後がピーク
 起床してしばらくしてピーク
 動き出すとともに軽減
 動きだすとともに増大する
 
 4
睡眠時
 
5
 
床であぐら座りする時  
   
6
立って居る時  
   
7
風呂のバスタブの中でつかる時  
   
8
デスクに向かってすわって居る時   
   
9
走る、運動する時  
   
10
草刈りする時   
   
11
重い荷物を持つ時  
 
12
 
中腰姿勢の時
 
13
 
何もしなくても始終痛い
  14
 
体の運動方向で出る
 


 5   痛みのありかの現場


痛みが実際どこが現場になっているのかを特定する。

痛みのありかの現場は、
ピンポイントで一か所のケース、
痛みのポイントが複数異常に点在する、
痛みのありかが広範囲にわたる場合、
痛みのありかが 次々と移動する場合、
痛みのありかが 変幻し拡散する場合、
などと多様である。

それを 分類すると 次のようになる。
骨格そのものの中
関節のまわり
筋肉
の3つである。
その3つのうち さらに細分類を進めると 以下の様な図となる。


  骨格 4つの骨格内
椎骨
腰椎を構成する5つの椎骨
脊柱管内
脊柱のなかにあって 脊髄を包む管。
脊柱管狭窄症の現場。

仙骨  
骨盤内で脊柱を受ける
腸骨  
骨盤内で寛骨を形成する内、左右の骨格
   関節のまわり 関節をとりまく部位は2つある 

骨格筋が
関節の周囲で骨格に付着する間際に
細くなり 腱組織を構成する。
それによって 関節の可動性を高める。
 
靭帯
関節を介して
複数の骨格をつなぐ 役割をして
関節の安定性と柔軟性を維持する。 
   筋肉

筋肉の種類は2つある
 骨格筋
 
いわゆる筋肉である。
筋膜 きんまく   
体全体を薄い筋肉組織で
まるでナイロンストッキングのように
おおう筋肉である。
体内の臓器、筋肉、諸器官の位置を
維持するのにも働く。

 6   いつごろから発症したか

いつごろから腰痛がでだしたのかは 重要である
さらに きっかけとなる原因や 生活環境の変化など 思い当たる節を思い出してもらうことなど
腰痛の履歴の詳細が 明確であればあるほど
腰痛の原因と根源にたどりつきやすい

腰痛はたんに身体的な要素ばかりに原因があるのではなく 
心理的精神的な要因もからんでくることがある複合的な原因が集積してあらわれる疾患であるので
腰痛の歴史を鮮明に披瀝できれば 治療を大きくたすけることになるのである

 
 7   日常動作と身体所作の習慣

慢性腰痛のひとは自分で ほとんどが どうした動作や所作が腰を悪化させるかを気づいている
したがって それらの腰を悪化させる動作や所作習慣を 一歩さらに詳細に分析し 腰痛の原因のありかを想定することができる

腰の悪化をまねく原則がある それは、
長時間にわたり同じ姿勢でいる。 
この時 その姿勢がたとえ腰に負担のかからない理想的な姿勢であったとしても 長時間に同じ姿勢そのものが腰痛を生む。
腰に負荷のかかることを急にする。

こうした腰悪化の原則にもとずいて 動作や所作の例をあげてみよう

座っている時に、
背もたれのないままで 体をねじれた形にしている。下図の 1 である。
足を組む姿勢も それ自体は悪くないのであるが 一方方向のみ つまり右に左にと組み替えないことは腰痛を生む。下図の 2 。
背中と頭を海老のように丸かりながら座る 下図の 3 である。
長時間にわたり 背もたれのない椅子に前傾しせいのまま座るピアニスト 下図の 4 。
やわらかいソファに横向きにすわり動かない 下図の 5 である。
ウォーミングアップすることなく 急におもいっきり体をねじってしまう。 下図の 6 である。

重いもの持つ場面が多い、下図の 7 8 である。
草引きをしじゅうおこなう。下図 9
仕事柄 中腰の姿勢が多い。下図 10
寝て居る時 身動きが取れない。下図 11
出張が頻繁で 移動で座って居る時が多い 下図 12 である。

こうした腰痛を引き出す習慣の判明が腰痛の病巣の核心をあきらかにしてくる

 1  2  3  4  5  6
 

7   8 9  10  11  12 
 
 8   内臓に疾患があるか

内臓に疾患があると腰痛として症状が出る時がある
また 疾患とまではいかないまでも 内臓の機能が低下しているようなときも腰痛を感じる時がある
つまり内臓の異常は 腰の痛みとなって脳で認知される、それは
内臓そのものに異常があり 腰自体は正常であるが あたかも腰が痛いような錯誤感覚のようなケース、
あるいは
内臓の異常が 腰の異常を誘発し それが腰痛と認知されるケース とがある。
大きくいえば いずれも内臓疾患を主因とする腰痛症状といえる。
こうした疑いのある場合は 問診、触診、をはじめ内臓疾患による症状があるかどうか詳細に追及する必要がある。

とくに
小腸・大腸・腎臓・肝臓・胃・十二指腸・脾臓・子宮 などの状態を確認することは慢性腰痛の場合 重要である


このうち とりわけ 後腹膜(こうふくまく)という場所の臓器に異常が起こると、背中や腰に痛みなどの症状が出やすい
腹の“外側”の後腹膜にあるのは、十二指腸や膵臓、腎臓など。
お腹の中には、腹膜で囲まれた腹腔というスペースがあり、この中には胃や肝臓、大腸などの臓器が収まっている。
いわゆる“お腹”の臓器だ。この腹膜の後ろの場所が、後腹膜。ここには十二指腸や膵臓、腎臓などがある

 


また、心臓からの血液を全身に送る大動脈も背中側を走っている。これらに異常があると、背中や腰に症状が現れやすい

また、子宮の場合は、半分はお腹の中にあるが、もう半分は外にある。
このため、子宮内膜症の場合は、下腹部だけでなく、腰の方にまで重い痛みが出てくることがある。

また、
胸膜の後ろを通る大動脈に異常が生じた場合も、背中に痛みが出やすいので こうしたことも考慮に入れておかねばならない。


 9   過去の運動歴

過去にどのような運動をしてきたかは重要である
とくに 20歳までの体の根幹を作る時期に いそしんだ運動の内容を確認することは
身体の造りや潜在能力を推察するうえで
 きわめて大きな条件となる
そもそも腰は あらゆる運動の根幹をなすものなので 
運動歴によって ある程度に腰の能力がどのようなレベルなのかをおしはかることができる

もちろん 運動歴といっても その内容の濃密度や鍛錬の度合いは考慮に入れなければならない
また 運動をこれといってやってない人で おそろしく腰の鍛錬を経たような様相をもつこともあり
運動歴の自己申告で 身体の評価をし 腰の能力を即断することはできない
いうまでもないことである

 10   しびれがあるか

しびれの有無は重要である
しびれの広がり具合と 連続性 または 飛び飛びにでるか 等の様相・・
しびれのラインがいつも一定の定位置なのか? 
はたまた 日ごとラインが変わるのかは重要である

しびれのよく現出する例は下記図にある
もちろん 下肢のみに限らない
腰から脇腹からへのしびれもでることがある


   


11   腰がぬけるような感覚

ときに痛みと併存して 腰がぬけるような感覚を持つ人がいる
もちろん これも腰の疾患のひとつである
腰がぬけるときは 強い精神的ショックなどでもおこるが このときは立ち上がれないことが多い
腰疾患からくる ぬけるような感覚があるときは 歩行はまがりなりにもできる

 


腰がぬける原因は つまり
インナーマスル と アウターマスル の極端な緊張と弛緩の不均衡アンバランスからおこるのであるが
これは 痛みはないものの 不気味な心理的不安におとしいれられることもあり
慢性腰痛治療の一環として 対処がもとめられる



以上

慢性腰痛の病根をつきとめるための

解析のポイントとなる11の項目ををまとめてみた。

このような角度から解析をしつつ 触診と問診を繰り返すと

その人のおおよその日常の動作のクセとか傾向の中で

なぜ慢性腰痛になるのかの要因が おぼろげに鮮明になってくる。

同時に 体を探りながら じょじょに

その腰痛の全体像を特定し

慢性腰痛の緩解への大まかな道筋をイメージする。


ここに至り 治療施術法が決定される。

そこで 決定した治療施術法を

患者に細かく説明するのか 大まかに説明するのかは

その患者の理解度や心理的状況をある程度おしはかり 

どのレベルで説明するのか決める。

おおかたにおいて、

慢性腰痛、 繰り返す腰痛、に長期間悩まされてきた人は

それまでの苦悩の時期に

腰痛に対する知識と鋭敏な感覚は ある程度鍛えられているため

自分の腰痛の解析の結果と治療施術法を事前に説明されるのを

強く求めていることが極めて多い。

このため 患者が安心して施術を受けられるように説明する。

これによって 治療効果も一段の濃密を増すのである。

ただし 時によって

瞬時にこうした治療施術法が明確に決定しにくく進行する事があるが 

そのような難度の高い慢性腰痛のほとんどが

腰痛の背後に心理的なストレスや複雑な精神的側面が隠されているケースある。

そうした心身の相関が

どのように慢性腰痛を引き起こしているかの解析に手間取るのである。


こうした段階をへて 以降が整体の本格的な幕開けとなる。


慢性腰痛の整体は 大まかに分けると

病院にて すでに病名が特定された場合と

病名が断定されず 特定不明の場合の 2つに分けられる。

いずれも 整体の対象となる。


腰痛の病名 特定不明の腰痛
 椎間板ヘルニア  ついかんばんへるにあ



慢性腰痛の多くは、

原因特定が断定できにくい。

このため

慢性腰痛が

難治性の高い疾患となる。


 すべり症  すべりしょう
 分離症  ぶんりしょう
 脊柱管狭窄症  せきちゅうかんきょうさくしょう
 坐骨神経痛  ざこつしんけいつう
 筋筋膜性疼痛症候群  きんきんまくせいとうつうしょうこうぐん
 繊維筋痛症  せんいきんつうしょう
 変形性腰椎関節症  へんけいせいようついかんせつしょう
 梨状筋症候群  りじょうきんしょうこうぐん
10  仙腸関節不安定症  せんちょうかんせつふあんていしょう


病名が断定されず特定不明の場合は、

整体によってその慢性腰痛の解析をおこなうので 

それに準じて整体が進行する。


そこで まず

病院にて特定され代表的病名の整体的見地の説明をしていこう。



以下建設中です。・・・・
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