2016年5月の整体 

先月のマンスリー4月の稿で 熊本地震の関連から
ふくらはぎから発症しやすい静脈血栓塞栓症
じょうみゃくけっせんそくせんしょう
を記したが 今月は 連動して ふくらはぎ自体について考察する。
ふくらはぎが 全身的身体機能とどう結びついているかという視点で。




ふくらはぎが 第2の心臓と称されるように
ふくらはぎの筋肉群がポンプの役割も兼ね備え
筋肉収縮で静脈のみならずリンパ液や体液の流通を活発にして
老廃物や疲労物質の排出に大きく貢献している。



よってこれらの筋肉群の柔軟が失われ 硬直を見てくると
 血行・リンパ・体液の流通は不良となり
ふくらはぎに
痛み疲労・ダルサ・むくみ・けいれん・鈍重感・膨張
が生まれる。



さらに高じると 血行・リンパ・体液の流通の不良は
単に ふくらはぎにとどまらず
全身性の問題に発展する。



どのような全身性の問題かというと、

ひとつは マンスリー4月
の稿で述べたように血栓が静脈にできてこれが肺に達して塞栓症を引き起こす。

今ひとつは 代謝の低下である。
代謝とは 栄養素をエネルギーに変換していく効率のことであるが
栄養素を運搬する血行の不良で代謝効率が低下する。
また ふくらはぎの特に
ヒラメ筋がもつ筋肉性状は
それが柔軟で剛性が高いと 代謝がアップすることで知られている。

今ひとつは 血圧の不安定である。
血圧を不安定にさせるのは多くの要素があるが
血管そのものの質
血行の不良
心臓の負担が大きい
血液そのものの清濁度

以上の問題が ふくらはぎの筋肉群の柔軟と剛性をあげることで
改善されることがある。
逆にいうと ふくらはぎの状態が悪いと血圧の不安定を招きやすい。
特に高齢になるにしたがって それは顕著。

さらに
ふくらはぎの疲労感・ダルサ・鈍重感
全身的な重い慢性疲労を誘発することが多い。

具体的に ふくらはぎ筋肉群とは
下腿
かたい つまり膝下~足首の間の部位に存在する
後部の浅い層にある
腓腹筋ひふくきん  ヒラメ筋である。
これらの柔軟度と筋肉剛性の高さが 筋肉収縮を活発にして
下肢の動脈から毛細血管そして静脈に流れる血液を
順調に走行させる役目をになっている。



腓腹筋ひふくきん  ヒラメ筋 の作用は 
一般的に膝と足首の動きを制御する筋肉とされるが
実は それ以外にも 上述したような重大な任務を帯びており
さらに この筋肉は
ヒトが直立の姿勢を維持し 歩行に作用する役目の一端もになう。
特に 
ヒラメ筋
直立の姿勢の維持と歩行の作用に重大な働きをしていることが
最近の研究でもあきらかにされている。



腓腹筋 ひふくきん は瞬発力の必要な走る時やダッシュ時に作用し
ヒラメ筋は 持久力の必要な歩行時に作用する。
ヒラメ筋は袋状の集積性情で 筋体積に対して筋横断面積が大きく
筋出力がかなり高く 日常的に絶えず使用されていることが多い。
こうして ヒラメ筋は 遅筋が90%の赤筋である。
腓腹筋 ひふくきんはこれに対して速筋の白筋である。

興味深いデータがある。
下肢の全体の筋肉の重量の中で
それぞれの筋肉量を重量で示すものである。
下肢とは でん部から下の部位の総称で
これによると
腓腹筋ひふくきん 4.26 %
ヒラメ筋    6.78 %
この2つの合計は約11%となる。
最も重いのは
大腿四頭筋   21.19 %
である。
重量配分からは上記の数字だが とくにヒラメ筋の場合は
袋状の集積性情で 筋体積に対して筋横断面積が大きいため
重量配分の比率より 大きな仕事をになっている。

このふくらはぎ筋肉群の忘れてはならない特徴に
使用しないと筋肉萎縮が速いスピードで進むことで。
長期の入院や ねたきりで
最初にダメージをうけるのがこの筋肉群である。
当然 回復力もスピードがあるので
刺激をあたえれば素早く回復しやすい。



このため
ふくらはぎの整体は受ける方は
すごく気持ちが良いのである。
特に高齢者にこれをほどこすと
十中八九は法悦の表情となる。
特に 血圧の不安定な高齢者には
この部位への施術は 効果が顕著である。

この部位への施術で注意すべきことは、
この筋肉群の筋肉繊維の性状から 
施術の最初から強い圧力を加えると鬱血や切断しやすいため
始めは緩やかにおこない 徐々に調整していく手法をとるべきであり
その配分テンポの妙が 術者の熟練と未熟を分ける。